『W24 日本の凄い神木』
書籍情報:openBD
『日本の凄い神木』本田不二雄著/地球の歩き方編集室編(Gakken)
[レビュアー] 堀川惠子(ノンフィクション作家)
おなじみ『地球の歩き方』と聞けば、青春が蘇(よみがえ)る。学生時代、世界中を旅してまわるそばにいつも手元にあった。それが今回のテーマは海外旅行でなく、日本各地の「凄(すご)い神木」。全都道府県250本の巨樹ご神木をくまなく紹介する。
樹齢3千年の日本一の大杉(高知)、24の乳房を持つ山の神(島根)、12本の枝幹を天に発射する大ヒバ(青森)。杉、ケヤキ、楠(くすのき)、イチョウ、近年発見された新顔も。それぞれに伝説あり物語あり、圧倒的な「いのち」の前に立つと誰もが何かを感じるらしい。
遠い離島や山奥にまで出かけなくても、日帰り圏内の身近に神木はあり。その昔、私が巫女(みこ)のアルバイトをしていた小さな神社の大楠(広島)まで掲載されていて、本書の取材の深さにちょっと驚く。訪ねてみたいページに付箋を貼って助手席に置けば、神木巡りが趣味になりそう。