赤や黄、緑など鮮やかな色の三角文が石室を埋める桂川王塚古墳(福岡)。コンパスと定規でデザインされた幾何学文の井寺古墳(熊本)。石棺や石室に彫刻・線刻・彩色で図文を表現した「装飾古墳」(4~7世紀頃)は、九州や東北などに分布し、古墳時代の中心地である近畿には少ない。
極彩色の壁画で有名な「壁画古墳」の高松塚古墳やキトラ古墳(いずれも奈良、7世紀末~8世紀初頭頃)とは区別される。
装飾古墳はローカルな文化なのか、高松塚の飛鳥美人と比べ稚拙な絵なのか…通説や先入観を覆す論考。世界の装飾墓との比較も。(文春新書・1595円)
-
2023年1月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです