【気になる!】文庫『朝鮮の膳/朝鮮陶磁名考』浅川巧著

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朝鮮の膳/朝鮮陶磁名考

『朝鮮の膳/朝鮮陶磁名考』

著者
浅川 巧 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784480511652
発売日
2023/01/12
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫『朝鮮の膳/朝鮮陶磁名考』浅川巧著

[レビュアー] 産経新聞社

朝鮮工芸に関する名著2冊を合本の上、復刊した。素朴でゆがみのある白磁など、古い朝鮮の工芸品は日本で「李朝」と呼ばれ、今でこそ人気が高いが、大正頃までは評価が低かった。その価値を世に知らしめたのは、「民芸運動の父」と称される柳宗悦(やなぎ・むねよし)だった。

そして柳に朝鮮工芸を紹介したのが、日本統治下の朝鮮で暮らしていた浅川伯教(のりたか)・巧(たくみ)の兄弟だ。「朝鮮の膳」で巧は朝鮮の人々が膳を大切に使い込む様子を描写し、「器物の美しさは長い間の使用手入によって完成される」ことを強調する。朝鮮の人々と文化を愛した巧の姿勢が伝わってくる。(ちくま学芸文庫・1430円)

産経新聞
2023年2月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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