【児童書】『エーディトとエゴン・シーレ』ハリエット・ヴァン・レーク作、野坂悦子訳

２０世紀初頭、独自の画風で人間の内面を表現する数々の作品を残したオーストリアの画家、エゴン・シーレ。その生涯はわずか２８年。猛威を振るったスペイン風邪で妻のエーディトが子を宿したまま死去後、同じ病で倒れ、帰らぬ人となった。

本作は、オランダの美術館が所蔵する「エーディトの肖像」をモチーフに、同国の絵本作家が描いた切なくも愛に満ちた夫婦の物語。魅惑的な絵にも引き込まれる。東京都美術館で４月９日まで「エゴン・シーレ展」が開催中。この機に味わいたい。（朔北社・１６５０円）

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