『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』
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月曜日の朝に、気持ちを前向きにするためのシンプルな方法
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
「アイデアなんて必要ない」「いいアイデアを思いつかない」「考えるのが苦しい」などなど、アイデアについてはさまざまな思いがあるはず。
あるいは、「アイデアとは特別な仕事で成果を上げるためのクリエイティブなもので、正解は頭のいい人にしか出せない」などと思われているかもしれません。
しかし、アイデアは特別な仕事のためのものではなく、頭のよさともまったく関係ないのだと、『1分で読めて、悩みの種が片付いていく 1日1アイデア』(高橋晋平 著、KADOKAWA)の著者は断言しています。
アイデアとは自分の日常のなかにある欲求を叶えたり、悩みを解決したりするものであるのだとも。そして、そのために本書が役立ってくれるようです。
本書には、365個の様々なアイデアが、思考をあっちこっちに揺さぶるような流れで書かれています。
実体験や世の中の事例から数多くのアイデアをリストアップし、その中から特に僕の人生に大きな影響を与えたものを厳選して、1ページ1分で読めるようなシンプルな文章で365日分にわけて掲載しました。(「まえがき」より)
それらのアイデアはすべて、そのひとつの話題について1冊の本を書き、数時間かけて詳しいセミナーを開催できるほど重要なものなのだとか。
少なくともどれかひとつのアイデアは、人生を幸せな方向に進めるためのヒントになるだろうと著者は断言しています。
加えて本書の真の効能は、365個のアイデアに触れていくうちに、以下の3つの力が順番に、自然に養われていくことにあるのだそうです。
1. 目の前に現れた悩みの種を、パッと片づける「機転力」
2. 仕事や人生の重要な課題の解決方法を考える「思考力」
3. やりたいことや、まったく新しい価値を生み出す「創造力」
(「まえがき」より)
まずは毎日の小さな思いつきを楽しむことから始めることによって、その習慣の先にある武器をつかむことができるというわけです。
そんな工夫が施された本書のなかから、きょう2月27日の「『楽』という漢字の成り立ちからわかる、楽になる方法」をピックアップしてみましょう。
気持ちが沈みがちな週明けには
仕事などでつらいことがあったとき、「あー、楽になりたい」とか感じることがあるのではないでしょうか?
また、きょう月曜日のような週の始まりには、「また一週間が始まった…楽になりたいのに」というような思いが頭を覆ってしまうかもしれません。
いずれにしても、つらい気持ちはなんとかやわらげたいもの。そのための方法も人によってそれぞれ異なるでしょうが、著者によれば、すべての人に有効な“楽になる方法”は「好きな音楽を聴くこと」なのだそうです。
楽という漢字は、昔、神様にお祈りするときに鳴らしていたどんぐりをつけた木の楽器の形が元で生まれたそうです。そして、楽という漢字が入った熟語を調べると、音楽に関係のある熟語ばかりが出てきます。
楽器、楽団、文楽、田楽、雅楽……。つまり、音を楽しむから音楽、というより、音楽こそ「楽にするもの」の根源だったのです。(88ページより)
だからこそ、落ち込んだり、なかなかがんばる気になれなかったりするときは、まず自分が楽しい気持ちになれる音楽を聴くべきだという考え方。したがって、音楽配信アプリでお気に入りのプレイリストをつくっておくのもいいでしょう。
しかしそれだけでなく、自然の音を聞くこともまた音楽の活用法の一種。聴くことによって前向きな気分になることが目的なのですから、ソースはなんでもよいわけです。(88ページより)
聴くだけでなく、音を出してみることも
また、聞くのとあわせて、自分が音楽を奏でる遊びもおすすめです。
僕もあまりうまくはありませんが、ギターを弾いたり歌を歌ったりするとわかりやすく元気が出ます。足でトントンとステップを踏んでリズムを出したり、おしゃべりをしたりして音を出すことも音楽の一種です。落ち込んだら、まず好きな方法で音を出してみましょう。(88ページより)
また、音楽を聴きながら勉強すると集中できるという説もあるようです。集中力との因果関係があるかどうかはわからないものの、少なくとも気持ちを前向きにする効果はあるはずではないでしょうか?
このように1日ごとにアイデアがシンプルにまとめられているため、とても実用性の高い一冊。
たとえば朝、仕事を始める前にその日のページに目を通す習慣をつければ、いままで以上に画期的なポテンシャルを得ることができるようになるかもしれません。
Source: KADOKAWA