失敗してもあきらめず続けられる人がやめた「2つの考え方」

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続けられる人になるための37の「やめる」

『続けられる人になるための37の「やめる」』

著者
三浦孝偉 [著]
出版社
ぱる出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784827213874
発売日
2023/02/21
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

失敗してもあきらめず続けられる人がやめた「2つの考え方」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

最初に続けようと固く決意したのに、「結局は続けられなかった」「三日坊主で終わってしまった」というようなことは、残念ながらよくあるものです。仕事に関することがらだったとしても、資格取得のための勉強だったとしても、あるいはダイエットのようなことであってもーー。

つまりはそれほど、多くの方が「継続」を苦手としているということなのでしょう。

では、どうすれば継続できるようになるのでしょうか?

このことについて『続けられる人になるための37の「やめる」』(三浦孝偉 著、ぱる出版)の著者は、「やるぞ」といった宣言や気合いではなく、「やる気の根を絶やさないこと」こそが重要だと考えているのだそうです。その結果、自身はもちろん周囲の多くの方々も継続を成功させているというのです。

いまだに学歴社会の日本で生まれ、肩書き・地位・名誉が欲しくてたまらなくて競争社会を生きてきましたが、どれもこれも運やタイミング・人脈なるもので決まる不確かなもの。

それに疲れた僕が行き着いた結論。

「継続」だけは裏切らない。

「継続」は中身=クオリティを超える。

この書籍では、そんな話をしていきたいと思います。(「はじめに」より)

大手広告代理店に13年間勤めたのちに独立し、法人コンサル+副業・起業アドバイザーとして活動を続ける人物。2万人の読者に向け、10年間毎日メルマガを発信し続け、趣味で始めたラグビー情報YouTubeの登録者数も1万8000人になったのだそう。つまり自身が日常的に、「継続」の価値を実感し続けているわけです。

そうした実体験を軸に綴られた本書のChapter 5「失敗してもあきらめないための『やめる』」のなかから、きょうは2つのトピックスを抜き出してみたいと思います。

結果至上主義をやめる

「ビジネスは結果がすべて」だといわれます。しかし「継続チャレンジ」に関しては、結果よりも「プロセス」が大事なのだと著者は断言しています。理由は以下の3つだそう。

1.すぐに結果が出ないことにチャレンジしているから

多くの方が継続できないのは、簡単に手に入らないものを欲しているから。したがって最初から、短距離走ではなく、長距離のマラソンをやっているような意識で取り組むことが大切だということ。(158ページより)

2.ラッキーパンチは継続の敵だから

簡単にうまくいく方法など世の中にはないということを認識すべき。「継続」したいものについての同じで、“ラッキーパンチ”など存在しないということを、早めに理解しておく必要があるわけです。(159ページより)

3.他人との比較には意味がないから

「結果」ばかりを気にする人は、他人と自分とを比較してしまいがちだと著者は指摘しています。しかし継続は、あくまで“継続できない自分”との戦い。結果は継続というプロセスのあとに自然とついてくるものだということです。(160ページより)

気がついたら結果がついてくるというのが「継続」なのです。(161ページより)

だからこそ、最初はシンプルに「継続」だけに焦点を定めるべきだという考え方。(158ページより)

「自分の選択に自信が持てない」をやめる

多くの人は、いつも誰かの意見や置かれている環境で「なんとなく」選択することに慣れているため、自分ひとりで決めることがとても苦手なのだと著者はいいます。

しかも「自分で決められない」状態に慣れてしまうと、いざ「英語をマスターしよう」「ダイエットしよう」「副業をやろう」などと思ったとしても、その気持ちを継続できないケースが多いもの。また、そういう方こそ「自分で選択したことに自信が持てない」傾向にあるようです。

そこで、そんな人に向けて著者はふたつのアドバイスをしています。

まずひとつ目は、「しっかりと事前リサーチをし、そのノウハウで結果を出しているひとがいることを確認する」こと。誰かが成果を出せたのであれば、そのノウハウが成立しているということになるはず。したがって、それが確認できたのであれば、あとは継続すればいいのです。

ふたつ目は、「期間を決めて、それまで継続してから再度判断する」ということ。いうまでもなく、一度決めたことを続けることができるかについて、3日や1週間で判断するのはナンセンス。ジャンルによっても異なるものの、少なくとも1か月から3か月は継続してから判断すべきだということです。

自分の選択・チャレンジにもっと自信を持ってください。

今の時代、情報という名の、あなたの継続を邪魔する雑音は無数に存在します。

そのたびに翻弄されることなく、自分の選択に自信を、です。(165ページより)

たしかに自分の選択に自信が持てれば、継続することは困難ではなくなるはずです。(162ページより)

実体験のみならず、過去10年にわたって500人以上の方のビジネス指導をしてきたケーススタディも交えつつ、どうすれば「継続」できるのかを説いた一冊。著者なりの「継続学」のすべてが詰め込まれているというだけあって、広く応用することができそうです。

Source: ぱる出版

メディアジーン lifehacker
2023年3月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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