『日本の軍事的欠点を敢えて示そう』
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『日本の軍事的欠点を敢えて示そう』江崎道朗著
[レビュアー] 産経新聞社
刺激的な表題だが、政府が昨年末に決定した「安保3文書」と、その母体となった自民党安全保障調査会の提言を精緻に分析し、丁寧に分かりやすく説明している。
安保3文書を評価する一方、日本が反撃能力を保有した場合の米国との関係、サイバー領域の取り組み、防衛装備品調達などでの欠点を赤裸々にするだけでなく、具体的な方策も盛りだくさんだ。「日本にとって最大の危機は、自らの軍事的欠点を正確に理解していないこと」との指摘は重く響く。
永田町の裏方として携わった、安倍晋三、石原慎太郎両氏らとの防衛・安保論議も内情に迫り、実に興味深い。(かや書房・1650円)