モンゴルの日本大使館で公邸料理人を務めた著者のエッセー。生きた羊を食材として連れて行くキャンプ、解体したての羊のレバーを網脂で巻いてあぶった味…。遊牧民の食文化が興味深い。
乾燥した草原には人が命をつなげるほどの量の植物はないが、家畜が草を食べることで肉が得られる。飼料ではなく新鮮な草を食べた牛のミルクは乳固形分が多く、飲み物というより食べ物だそう。
家畜と暮らす遊牧民は、子牛や子羊の幼い命を食べない。家畜は人とともに移動できる羊や牛、馬。鶏や豚は飼わないという。モンゴルの草原を訪ねたくなる。(わたしの旅ブックス・1320円)
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2023年5月7日 掲載
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