『平安貴族の仕事と昇進』
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『平安貴族の仕事と昇進』井上幸治著
[レビュアー] 産経新聞社
平安京には、①公卿(くぎょう)(一~三位)②諸大夫(しょだゆう)(四位・五位)③侍(六位以下)④庶民(無位)―の4身分の人々がいた。①②は貴族だ。
仕事の能力と出世は直接結びつかず、身分による壁が出世を阻む時代だが、現代と似通った面も。身分が③だとほとんど出世しないが、文書管理・作成などの実務を担う六位外記(ろくいのげき)・六位史(ろくいのし)は激務を数年続ければ従五位下の貴族に。②の場合も、①への昇進ルートの蔵人(くろうど)・弁官は勤務が激しいという。
平安時代中・後期の貴族たちがどのような仕事をしていたかが分かる本。小説や漫画などの創作活動に役立ちそう。(吉川弘文館歴史文化ライブラリー・1870円)