【気になる!】文庫 『近代数寄者の茶の湯』

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近代数寄者の茶の湯

『近代数寄者の茶の湯』

著者
熊倉功夫 [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
芸術・生活/諸芸・娯楽
ISBN
9784122073531
発売日
2023/04/21
価格
946円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】文庫 『近代数寄者の茶の湯』

[レビュアー] 産経新聞社

明治初期、武家社会の崩壊を受けて茶道はいったん衰退するが、やがて政財界の富豪に近代の数寄者と呼ぶべき面々が現れ、復活を遂げた。本書は、三井銀行や三井呉服店などで活躍した実業家で茶人の高橋箒庵(そうあん)(義雄)の足跡を中心に、井上馨(かおる)、益田孝、原三渓(さんけい)、藤田伝三郎、根津嘉一郎らとの交流などを描く。

仏画の名品や名物茶道具を巡る争奪戦、破天荒な茶会の顛末(てんまつ)など、耽美(たんび)にして豪快なエピソードが満載で面白い。近代的な合理主義と、日本の伝統文化を大切にする保守主義が、彼ら近代数寄者の精神に深く根差していたことが分かる。(熊倉功夫(いさお)著、中公文庫・946円)

産経新聞
2023年5月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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