『オルバンのハンガリー』山本直著

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『オルバンのハンガリー』山本直著

[レビュアー] 産経新聞社

ウクライナ戦争に際し、欧州連合(EU)加盟国としては特異な親露姿勢を取るハンガリー。2010年に第2次オルバン政権が誕生して以降、言論の自由や法の支配、人権尊重の枠組みが顕著に後退。外交面でも中露に急接近し、20年にはEUで唯一、スウェーデンに本部を置く民主主義研究機関から「権威主義国」と認定された。

なぜ、EUは同国の民主主義後退を防げなかったのか。融資凍結など、EU内の問題国への対抗措置はあるのだが、現実にはうまく活用できなかった。欧州政治研究者が、ハンガリーを例に「価値の共同体」としてのEUの現状を分析する。(法律文化社・6380円)

産経新聞
2023年5月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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