『第一次世界大戦と日本参戦』
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『第一次世界大戦と日本参戦』飯倉章著
[レビュアー] 産経新聞社
日英同盟に基づき、第一次世界大戦に参戦した日本。だがその過程では、中国・山東半島にある青島を中心としたドイツ膠州(こうしゅう)湾租借地の攻略を狙う日本側と、日本の行動を海上警備に限定したい英側との間で交渉が難航し、一時は参戦依頼の取り消しに至るほどだった。最終的に英海軍の意向もあって参戦が実現したものの、同盟関係にしこりが残る結果となった。
青島での日本軍は飛行機や重砲を活用した要塞攻略戦を展開したが、その後の欧州での急速な軍事技術の進歩からは取り残されてしまう。近年の研究を基に、日本の参戦経緯とその影響を幅広く解説する。(吉川弘文館・2200円)