『高くてもバカ売れ! なんで?』川上徹也著

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高くてもバカ売れ! なんで?

『高くてもバカ売れ! なんで?』

著者
川上徹也 [著]
出版社
SBクリエイティブ
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784815622862
発売日
2024/02/07
価格
990円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『高くてもバカ売れ! なんで?』川上徹也著

[レビュアー] 尾崎世界観(ミュージシャン・作家)

 消費活動は大きく二つに分けられるという。日用品などを買うのはコスパを考えた「理性的な消費」で、好きなアーティストのライブに行ったりするのは心を満たすための「感情的な消費」。主に後者に焦点を当てた本書は、「買う側」ではなく、あくまで「売る側」に向けて書かれている。どのようなスタイルで売り出し、いかに消費者の感情を動かすか。そんな工夫や意図を知りながら、一度売り手側に立って買い物を考えることで、消費者としての自分が浮かび上がってくる。

 TikTokの「〇〇ダンス」で一気に火がつき、過去曲がリバイバルヒットする。このところ音楽シーンで目立っているこうしたケースを思い出す。常に新しいものだけが求められているわけではないし、それが新しいかどうかは、売り手ではなく、買い手が決めるということ。だからヒット商品を生み出すのは、買い手側ということになる。踊っている人たちに踊らされているのは、実はこちらの方だったのかもしれない。そのことを踏まえて、これから何をつくっていくべきかを深く考えさせられる。(SB新書、990円)

読売新聞
2024年5月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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