仕事に「達成感」が生まれる、毎日のタスクの立て方・進め方

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いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才

『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』

著者
今井 孝 [著]
出版社
すばる舎
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784799112335
発売日
2024/06/24
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】仕事に「達成感」が生まれる、毎日のタスクの立て方・進め方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(今井 孝 著、すばる舎)の著者は、長らく幸せを実感できずにいたのだそうです。会社員時代に成果を出してもむなしさしか残らず、独立起業しても売り上げが上がらず、どん底からのスタート。寝る間を惜しんで働いた結果、会社員時代よりも多くの収入を得ることができるようになったものの、毎日がしんどい気持ちのままだったというのです。

そこで先達から学ぼうと思い立ち、多くの成功者たちに話を聞き、研究を重ねていったそう。すると、幸せな人たちと普通の人との間に、ひとつだけ大きな違いがあることに気づいたのだといいます。

それは、1日のなかに2時間程度だけ「最高のひととき」をつくり出しているということ。いいかえれば、どれだけ忙しかったとしても、1日のなかで2時間だけ充実させることができれば、充分に幸せになれるというわけです。

事実、それに気づいてから著者の人生はガラリと変わったのだとか。つまり過去の自分とは違い、人生を楽しみながら生きられるようになったということです。そこで本書においては、自身が紆余曲折を経て学んだ、「1日たった2時間で幸せになるための“時間との向き合い方”」を明らかにしているのです。

人生を変えるためには、大変なことをする必要も、苦しむ必要もありません。

たった2時間だけ大事にすれば、人生は眩いばかりに豊かで、愛おしいものに変わります。

そして、長期的にはすごいところまであなたを連れて行ってくれます。

ですので、1日2時間だけ、幸せになることにコミットしてほしいのです。(「まえがき」より)

きょうは第4章「毎日が幸せなスケジュールの立て方」のなかから、仕事に関するトピックスを抜き出してみたいと思います。

「達成する仕事」をひとつ決める

仕事で充実感を得るために大切なのは、あらかじめ自分に向けたご褒美を決めておくことだといいます。そうすれば、そこに到達したいという思いがモチベーションをたかめてくれるわけです。

おすすめなのは、たった1つを選ぶことです。

もちろん、こまかい仕事が5つも6つもあるときもあるでしょう。

それでもなお、「この1つをやり遂げたら最高だ!」と言えることを決めておくことをおすすめします。

やってみると実感できますが、仕事が5つ中途半端に進んだときよりも、たった1つだけでも仕事を終わらせたときのほうが、達成感が大きいものです。

多くの人が日々、達成感を味わっていないのは、「今日、何を終わらせるのか」が不明確だからです。(145〜146ページより)

たとえば「資料を完成させる」など、“達成したらうれしいこと”を具体的にひとつだけチョイス。そして、その仕事を中心にして1日や1週間のスケジュールを組むわけです。

もちろん、それ以外のことをまったくやらないということではありません。しかし、そのひとつの仕事にエネルギーをフォーカスして取り組めば、すっきりと仕事を終わらせることができ、達成感も味わえるということ。(145ページより)

「To Doリスト」の項目は少ないほうがいい

著者が「達成する仕事をひとつ決める」ことが重要だと主張するのは、たくさんのことをやろうとして、逆に充実できないでいる人が多いから。1日や1週間でやろうとする仕事量が多すぎて、結局は「きょうも終わらなかった」と思いながら床につくはめになるというのです。

1日で3つの仕事をして、「3つしかできなかった」と嘆く人と、「今日もやり遂げた!」と喜ぶ人がいます。

その違いは何かというと、4つ以上の仕事をやろうとしていたかどうかです。

終わらせる仕事が今日は3つだけでいいなら、3つの仕事で全部完了ですが、4つ以上やろうとしていたら「終わらなかった」ということになります。やっていることは同じなのに、充実感がまったく違うのです。

そもそも3つしか仕事ができないなら、予定も3つだけにしておくべきです。(151〜152ページより)

最初からできる予定にしておかないと、結局は気分が落ち込むだけ。そこで大切なのは、1日、1週間でできる数の仕事だけをスケジュールに入れること。具体的には、「To Doリスト」の項目を減らすべきだといいます。

仕事が終わらない原因の多くは、計画が意欲的すぎる、というか、見積もりがあまいからです。そもそも、そんな量の仕事はできないのです。(153ページより)

著者の場合、気合いが求められる大きな仕事は、1日にひとつだそう。それ以上だと頭が疲れて集中できないといいますが、納得できる話ではないでしょうか。(151ページより)

減らすコツは「緊急度」

やることを減らすコツは、「緊急度」で考えることです。

今週、終わらせないといけない仕事は何か?

今日、終わらせないといけない仕事は何か?

これを考えるわけです。

緊急でない仕事は、いまはやらなくていい仕事です。

(153ページより)

「やらなくてはいけないと思いつつ、3か月くらいできていない」というような仕事は、しばしば生まれてしまうもの。しかし、それは「いまやらなくてもいい」、すなわち「緊急ではない」ということであるはず。

そういう基準で「やらないといけない緊急な仕事」だけをピックアップしてみてください。想像以上に仕事量が少ないことに気づきます。(154〜155ページより)

つまりは、できる量だけをちゃんとやればいいということ。そこでまずは、それらの仕事を1日、1週間のなかでいつやるか決める。すると、スケジュールにかなり余白があることに気づくはず。その余白で、緊急ではない仕事を進めていけばいいのです。

そうすれば、まだやらなくていい仕事を先手で進められたという実感を得ることができ、心地よい気分になれるはずだということです。(153ページより)

とてもシンプルで、誰にでも、どんな状況からでも実践できる内容。しかも実践してみれば、すぐに日々の感じ方に変化が訪れるだろうと著者は述べています。精神的にも物質的にも満たされ、充実した人生を送るために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: すばる舎

メディアジーン lifehacker
2024年6月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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