中国最古の少数民族の一つ「苗(ミャオ)族」は文字を持たず、歌や踊り、刺繍(ししゅう)によって民族の神話や歴史を伝承してきた。
苗族の刺繍飾りの名手、花辺(ホワビエン)ねえさんは評判を聞きつけた王に幽閉され、7日以内に生きているように見える動物を刺繍するよう命じられる。泣きながらオンドリやキンケイ、龍を完成させた花辺は、刺繍から飛び出した龍に乗り、天上へと駆け上がって―。
日本画家の後藤仁氏が苗族の村を写生旅行して描いた色鮮やかな原画が、苗族の間で連綿と語り継がれてきた昔話に新たな命を吹き込んだ。(BL出版・1980円)
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2024年8月25日 掲載
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