『大阪天満宮と天神祭』
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『大阪天満宮と天神祭』高島幸次著
[レビュアー] 産経新聞社
大阪天満宮(大阪市)の文化研究所長が、毎年7月に行われる天神祭の歴史を分かりやすく紹介する。本宮(祭礼の当日)の25日は祭神、菅原道真の誕生日とされるが、著者は潮の干満との関係にも触れていて、「水都」と称される大阪らしい。江戸時代以降の盛大な祭りへと発展する過程は、大阪の人々のエネルギーがみなぎる。
大阪の天神祭は、街の中心部を流れる大川を船が行き交う「船渡御(ふなとぎょ)」にビル街を照らす花火…と、華やかな祭りだ。起源は今も堂島川で厳かに行われる「鉾流(ほこながし)神事」に行き着くという。祭礼という視点から天神祭本来の意味を見つめ直す一冊。(創元社・2200円)