歌舞伎の演目の舞台になっている土地を旅しながら、なぜそこでこの物語が誕生したかに思いを巡らせた紀行文。作品論も織り交ぜながら著わした。
取り上げている演目は「菅原伝授手習鑑」「夏祭浪花鑑」「義経千本桜」「女殺油地獄」「新版歌祭文」「東海道四谷怪談」「摂州合邦辻」「勧進帳」と、いずれも上演される機会の多い名作。
歌舞伎の古典作品を読み解きながら現代劇化している団体「木ノ下歌舞伎」の主宰である著者初の単著。「物語の背後には、常に、その物語を生じさせるだけの土壌や風土がある」という言葉を実感させられる。(淡交社・2530円)
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2024年9月1日 掲載
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