同じ仕事をしても、なぜか高評価を獲られる人の「コスパよく働く技術」

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雑用は上司の隣でやりなさい

『雑用は上司の隣でやりなさい』

著者
たこす [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784478120767
発売日
2024/08/08
価格
1,848円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】同じ仕事をしても、なぜか高評価を獲られる人の「コスパよく働く技術」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

会社で高い評価を得るために必要なのは、他者より秀でた圧倒的に高い能力や地頭力だけではありません。時には「ズル賢くて不真面目なテクニック」を活用することが重要です。(「はじめに」より)

現役のメガバンク行員である『雑用は上司の隣でやりなさい あなたの評価を最大限に高める「コスパ最強」仕事術』(たこす 著、ダイヤモンド社)の著者は、こう述べています。それは、高学歴であることよりも重要なポイントであるようです。

加えて、会社の「評価」を勝ち獲るためには2つの方法があるのだとも指摘しています。まずひとつは、がむしゃらに仕事に尽力して評価されること。そしてもうひとつは、テクニックを活用してコスパよく高い評価を得る方法。ここで焦点を当てているのはもちろん後者で、そのために身につけておきたいメソッドを「高コスパな仕事術」と位置づけているのです。

「高コスパな仕事術」で大切なのは、「意味のあることにだけ力を入れる」「意味のないことには極力体力をかけない」ことです。

世のビジネスパーソンの圧倒的大多数は、まだまだコスパを上げる余地があると感じています。しかし、これを指摘している書籍はほぼ見当たりません。(「はじめに」より)

そこで著者は本書において、多くの方が「この仕事って自分がやる意味ある?」と感じてしまうような業務や、意味がありそうだけれど「どれだけの意味があるのかは説明できない」というような曖昧な業務に、コスパの観点から意味づけをしているのです。

したがって読み終えたころには、すべての業務を「コスパの観点で意味づけができる」スキルが身についているというわけです。

きょうは第1部「自分の評価を最大化する」内の第1章「同じ働きで、より高い評価を得る『見せ方』」のなかから、2つのポイントを抜き出してみたいと思います。

雑用は「人が見ているときに」「引き継ぐことを前提に」

雑用を頼まれたときには、「この雑用が自分のスキルにプラスの影響をもたらしているだろうか」と考えたくなるもの。著者も、「実際のところ、役に立たないことのほうが多い」と感じてきたようですが、その一方、「いまのキャリアを得るために、この雑用が活きたか?」と聞かれたとしたら、「じつはけっこう役に立った」とも答えるのだそうです。

なぜなら雑用は、取り組み次第で自分のキャリアにプラスの影響を与えるから。「どういった観点に注意して雑用をこなすか」という部分をつかんでおけば、容易に社内からの評価を高めることができるというのです。

なお、雑用を受けるうえで気にしなければいけない観点は主に2つあるといいます。

一つ目は、雑用に取り組むタイミング・場所です。雑用は、そのクオリティよりも「誰がやっているのか」を認知させるほうが大事です。「この人、毎日雑用をこなしているなー」という印象は、特に若手のうちは先輩たちから好印象を持たれやすい傾向があります。(19ページより)

したがって、時間や場所をある程度コントロールできるなら、意識的に他人の目が多いタイミングで雑用をこなすべきだという考え方。そうすれば、「雑用を多くこなし、がんばっている」というキャラクターが定着するわけです。

とはいえ露骨に見せつけるのではなく、上司や先輩が「雑用をやっているな」とギリギリ意識できるくらいのさりげなさも大切。

二つ目は、将来の引き継ぎを前提に取り組むことです。雑用は一般的に若手に押し付けられます。つまり、今あなたがやっている雑用は、いずれ次の新人に引き継がれていくわけです。(20ページより)

また、多くの人は雑用を軽視しているため、先輩からの引き継ぎ自体が雑であるケースも少なくありません。そんななかで引き継ぎをしっかりこなせたとしたら、後輩からは「引き継ぎが唯一しっかりしている先輩」として見てもらえるはず。

いずれにしてもこれら2点を気にしながら雑用を極めていくだけで、まわりからの評価を高め、後輩からの信頼をも勝ち取ることができるわけです。(38ページより)

上司の「苦手分野」「苦手な人」を自分の得意項目にせよ

人には得意不得意が必ずあるもの。しかも得意分野にはそもそも、「その分野がもとから好きだった」という先天的なパターンと、「いままで触れる機会が多く、たまたま得意分野になった」という後天的なパターンがあります。そして著者によれば、後天的な得意分野を「戦略的に」強化することで、仕事のコスパを高めることが可能なのだそう。

ところで、目の前に「自分の不得意分野をすべて上手にこなせる後輩」がいたとしたらどうなるでしょう? その後輩は他の分野で能力が低かったとしても、少なくとも“自分の不得意分野をこなしてくれる後輩”として重宝し、高く評価するはず。

これは上司側にとっても同じです。あなたの上司の不得意分野を全てあなたがフォローできた場合、上司からのあなたに対する評価は勝手に高くなります。

さらには「困っている上司にアドバイスしている部下」が、職場の他の人からどう見えるかを想像してみてください。「上司にアドバイスするくらい仕事ができる人」として周りから見られるはずです。これはかなり大きなメリットです。(53ページより)

たとえば若手のうちは、社内ルールや社内の商品・サービスについて勉強する機会が多いものです。その際には、すべての社内ルールをがむしゃらに覚えていくのではなく、上司が苦手そうなルールから優先的に学んでいくべき。そうすれば必然的に、上司の役に立てる機会が増えていくからです。

次に対人関係では、「上司と相性が悪い人」と積極的にコンタクトを取ることを心掛けましょう。社内でも社外でも、これがあなたの評価をコスパ良く高めるために重要です。

上司から見ると、「自分と相性の悪い人」が得意な部下はとても重宝します。社内であれば、上司がどうしてもその人と交渉しなければいけない時にあなたが伝言役として抜擢されるケースが増えていきます。(54ページより)

こうしたことが、社内における自分の立場を高めることにつながっていくわけです。「上司の代弁者」として社内の人と交渉ができれば、まわりからも“上司から信頼されている部下”と見られるようになるからです。

もちろん相手がお客さんの場合でも同じ。上司の目に、「自分では手に負えないお客さんを相手にできる」部下だと映れば、それだけで評価は高まるということです。(52ページより)

ここで紹介されているさまざまなメソッドを吸収していけば、どんな業務においても“コスパで考えるクセ”が身につくそう。ビジネスパーソンとしてのキャリアをよりよいものにするために、参考にしてみてはいかがでしょうか。

Source: ダイヤモンド社

メディアジーン lifehacker
2024年9月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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