『サスエ前田式 最高に旨い魚の仕立て術』
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『サスエ前田式 最高に旨い魚の仕立て術』前田尚毅著
[レビュアー] 池澤春菜(声優・作家・書評家)
お肉ばっかりじゃなくて魚も食べねば、と思いつつ下ごしらえと生ゴミ問題でつい二の足を踏んでいる。そんなわたしの背中を押してくれたのが本書。
著者は「日本一の魚屋」。六〇年以上続く静岡の魚屋の五代目店主。彼の元には世界中のグランメゾンから一流シェフが魚のことを学びに来るという。魚の調理法だけでなく、魚屋さんの仕事が見えるのも面白い。
包丁なんて、ぶっちゃけなんだっていい。大事なのは冷やしと脱水。干物は保存食じゃない。魚の美しい食べ方。へぇ~と声の出ちゃう知識がいっぱい。
レシピも和食だけに限らない。定番の煮付けや塩焼きはもちろん、タイと枝豆の中華風、サーモンと桃のカルパッチョなどなど。見ていると、魚をさばきたくなってきちゃう。
魚のために生きている魚屋さんの魚愛がたっぷりつまっている。
今週末は魚屋さんを覗(のぞ)いて、魚料理にしてみようかな。(産業編集センター、1870円)