副業をはじめたいなら、誰でも自分のなかにある「ネタ」を見つけること

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副業アイデア逆引き事典

『副業アイデア逆引き事典』

著者
戸田 充広 [著]
出版社
日本実業出版社
ジャンル
産業/商業
ISBN
9784534061386
発売日
2024/09/28
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】副業をはじめたいなら、誰でも自分のなかにある「ネタ」を見つけること

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

副業アイデア逆引き事典 どんなネタでも副収入! 驚きの発想とすごい売り方77』(戸田充広 著、日本実業出版社)の著者は、“趣味起業コンサルタント”として「趣味を仕事にする」ためのサポートをしているという人物。

たしかに、企業や副業で収入を増やしたいと思っている人は少なくなさそうです。とはいえ、「私には無理だろう」と思って行動に移さない人も多いのではないでしょうか。しかし著者は「趣味副業コンサルタント」として活動を続けるなかで、しっかり成果を出して稼いでいる人をたくさん見てきたのだといいます。

なお、そういう人たちには共通点があるようです。それは、「絶対できる!(絶対やる!)」と信じ込んで(いい聞かせている)点。わかる気もしますが、「たしかにそうかもしれないけれど、だからといってできるとは思えない」と感じる人もいそうではあります。

そこでお伝えしたいのが「ぶさいくスタート」という考え方です。これは、あなたが何かのスキルを活かして収入を増やしたいと思ったとして、必ずしもそのスキルを磨き切らなくてもいい、整う前に、つまりまだ「ぶさいく」な状態のままでスタートを切っていいんですよ、という考え方のことです。(「はじめに〜極めなくても、副収入は作れる! ぶさいくスタートの心得〜」より)

たとえば、「水彩画」で収入を増やしたいと思っていても自信がなかったのだとしたら、「もっと上手にになってからにしよう」と考えるのは当然のこと。

しかし、自分よりももっと前の段階にいる“超初心者”に対してであれば、「筆の選び方」「絵の具の混ぜ方」「画用紙の選び方」「下書きの鉛筆の使い方」といったことは教えられるはず。そこで、まずは超初心者向けの教室を始めればいいという考え方です。

そうやって「ぶさいくスタート」を切った上で、少しずつ収入を増やしながら、水彩画の腕も磨いていけばいいのです。(「はじめに〜極めなくても、副収入は作れる! ぶさいくスタートの心得〜」より)

しかし、「そもそもネタがない」という方もいらっしゃるかもしれません。そこできょうは第1章「誰でも副収入は作れる! あなたの中に眠るネタを見つけよう」に焦点を当ててみたいと思います。

「ネタがない」「才能がない」という思い込み

誰しも過去にはいろいろなものに興味をひかれ、さまざまなものに熱中してきたはず。にもかかわらず、「自分は経験値が少なく、ありふれた趣味しか持っていない平凡な人間だ」と自分のことを過小評価している人が多すぎる――。著者はそう指摘しています。

しかし、それは単なる思い込みであるようです。自分のなかに存在しているネタに気づいていない、ということはよくあるというのです。自分にとっては「できて当たり前」「知っていて当たり前」かもしれないけれど、人の目には「それ、ちょっとすごいスキルかも」と映ることが意外に多いということです。

でも、自分のなかにあるそういったネタに、どうやって気づけばいいのでしょうか? それを明確にするために、自分自身に質問をしてみることを著者はすすめています。

「あなたは休日、何をして過ごすことが多いですか?」

「出かけるとしたら、どこに行きたいですか?」

「30分の空き時間ができたら何をしますか?」

「飲食店に入るとき、どんな系統のお店に入ることが多いですか?」

「アウトドア・インドアではそれぞれ何をして過ごしたいですか?」

「寝る前の30分は何をしていますか?」

「困ったことがあると人を頼れるタイプですか?」

「誰といるときが楽しいですか?」

「何をしているときに幸せを感じますか?」

(33ページより)

こういった“なにげない質問”を自分に投げかけてみれば、より具体的にものごとを思い浮かべることができるはず。それが、なんらかの糸口になるわけです。(30ページより)

迷ったら楽しいほうに舵を切る

どんなネタで趣味副業(趣味起業)に取り組むとしても、必ず出てくるのが「迷い」。「やるべきか、やらないほうがいいか」「右へ行くべきか、左へ行くべきか」というように、判断に迷うシーンが必ず出てくるものだということです。

そんなときには、「やるべきかどうか」「儲かるかどうか」ではなく、「楽しいかどうか」「やりたいかどうか」で選ぶべきだと著者は述べています。

本当にあなたがやりたいことと合致しているのであれば悩むことなくGOですよね。でも、ちょっと違う、やりたいことと少しズレている、と感じた場合は要検討です。それを続けることで「楽しくない」気持ちが大きくなっていくようなら、やはり途中で投げ出したくなる可能性が高いのです。(44ページより)

「儲かるかどうか」「ニーズがあるかどうか」ではなく、あくまでも重要なのは「楽しいかどうか」「やりたいかどうか」。だからこそ、迷ったときは楽しいほうへ舵を切るべきであるようです。

ちなみに、一度は実践してみたものの、うまくいかなかったということもあるでしょう。しかし、途中で放り出してしまっても問題はなし。単に、それが自分に向いていなかっただけの話だからです。自分の思ったように動けばいいのです。

うまくいこうが、失敗しようが、すべてが経験であり、すべてが財産となっていくのです。迷ったら楽しいほうに舵を切る、でもその前に、まずは実践してみる、ということを意識してくださいね。(45〜46ページより)

多くの場合、「やったほうがいいとわかってはいても、行動できない」という人は心のどこかに「私には無理」という意識を持っているもの。そのため無意識のうちに、「できない理由」を探そうとしてしまうわけです。そこで、「無理な理由」の捉え方を変えてみようと著者は提案しています。

「時間がない」→「時間のやりくりが上手くなるチャンス!」

「本業が忙しい」→「本業の効率化のチャンス!」

「私より上手な人がいる」→「スキルアップのチャンス!」

(47ページより抜粋)

たとえばこのように角度を変えて考えれば、「無理」は「チャンス」に変わるわけです。(41ページより)

本書ではこのあと、副収入を得るためのさまざまなメソッドが紹介されていきます。大切なのは、「無理」と考えずに行動してみること。だからこそ気負うことなく、ここを出発点として動いてみてはかがでしょうか?

Source: 日本実業出版社

メディアジーン lifehacker
2024年11月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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