自分の強みを言語化できない人へ。やる気の源泉を見つける5つのメリット

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ディープドライバー

『ディープドライバー』

著者
古川 武士 [著]
出版社
中央経済社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784502525711
発売日
2024/11/03
価格
2,420円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】自分の強みを言語化できない人へ。やる気の源泉を見つける5つのメリット

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「自分は何者で、どういう人生を生きたいのだろうか?」というような思いは、誰のなかにもあるもの。『ディープドライバー ほんとうにやりたいことを言語化する方法』(古川武士 著、中央経済社)は、そういったことについての自分なりの答えを探究していくために書かれたのだそうです。

1 私の人生、このままで本当によいのだろうか? と答えを模索している。

2 就職、転職、副業、起業を考えているが、何をしたいのかわからない

3 今いる職場や環境を変えずに、やる気を再燃したい。

(「はじめに」より)

おもな対象は、こういった気持ちを抱いている方なのだとか。

そして著者が提案しているのは、「『やりたいこと』ではなく、『やる気の源泉』を見つけよう」ということ。そんな思いを、タイトルになっている「ディープドライバー(自身を突き動かす動機の源泉)」と呼んでいるわけです。

やりたいことを見つけるのではなく、動機の源泉につながることで、あなたの心は情熱に溢れ、やる気に満ち溢れていきます。(「はじめに」より)

こうした考え方に行き着いたのは、習慣化コンサルタントである著者が「継続、習慣を突き詰めていったら『好きなことは続く!』」という原理にたどり着いたから。つまり結果は実力から生まれ、その実力は努力の継続からつくられ、その継続は好きなことから生み出されるということです。

重要なポイントは、ディープドライバーが単に「好きなことややりたいことをやる」という表面的なものではなく、自らを常に新たなチャレンジ、困難に突入させてでも高みを目指そうとさせる“自分を突き動かす動機”だという点。

だとすれば、ディープドライバーがなにをもたらしてくれるのか、もう少し知っておきたいところかもしれません。そこできょうは第1章「なぜ、ディープドライバーか?」のなかから、「ディープドライバー発見の5つの効用」を確認してみたいと思います。

効用1 真の理想、目標、やりたいことが見つかる

たとえば、「お菓子をつくる」「人を喜ばせる」が自分のドライバー(動機の源泉)だとわかっている人が、お菓子でできた花束を見つけ、「自分もこういうことができたら最高だな」と感じたとしましょう。その結果、本来は趣味だったお菓子づくりが、やがて小さなネットショップを始めることへとつながっていったとしたら?

つまり、「やりたいことが見つかっていく」のはこのようなプロセスだということ。逆にいえば、真の理想、目標、やりたいことが見つからない場合、その原因は「動機の原点をつかめていないこと」にあるわけです。外界の探究ではなく、内なる動機を探すことが大切だということです。(56ページより)

効用2 強み・才能の原石が見つかる

現時点で「自分には強みや才能がない」と感じている方も、まずはディープドライバーを見つけようと著者は提案しています。

私は、著者という人生を決めて、15年間で、24冊、120万部になり多くの方に読んでいただいておりますが、今でも「気づく」「言語化する」「体系化する」ことがドライバーで、「書く時間」は熱中体験です。

思えば、そのドライバーから、大学時代にも日記を書いたり、考えを図にしたりしていたものでした。それが職業に生かせることになるなんて想像だにしませんでしたが。(57ページより)

そんなエピソードからもわかるように、強み・才能の原石は、まだ光っていなかったとしても、必ず自分自身のなかに存在するもの。だからこそ、強みや才能の原石を見つけて明確にし、「これが自分の強み・才能」だと言語化できるところまで、継続によって磨くことが重要であるわけです。(57ページより)

効用3 結果に関係なく、プロセスで充実感を感じる

昨今、ウェルビーイング(幸せ)が叫ばれていますが、ディープドライバーに触れる活動を仕事やプライベートでやっている人は、ウェルビーイングの度合いが高くなります。ディープドライバーに触れているとき、人は夢中になり、没頭し、結果よりプロセスから、その充実感を得られます。(58ページより)

そこでディープドライバーを明確にすることができたら、その“熱中、夢中体験”を生活のなかに組み込むべき。一日15分実践するだけでも、生活が圧倒的に豊かになるそうです。(58ページより)

効用4 他人軸ではなく、自分軸が明確になる

他人からの承認や評価はもちろん重要。しかし、上司が変わったり、会社の方針が変わったり、部署が変わったりすると、認められなくなって自己肯定感や意味を見失ってしまうこともあるかもしれません。だとすればそれは、他人軸で振り回されている状態だということになるでしょう。

でも、大切なのは「自分軸」です。

自分軸とは、ディープドライバーを起点に動くことです。この動機で動いているとき、心に安定感と充足感が同時に訪れます。(58ページより)

そして不安や他人からの目が気になりすぎる人は、自分軸であるディープドライバーによって、自分の心に安定をつくり出せるそうです。(58ページより)

効用5 結果的に評価され、承認欲求も満たされる

なかには、自分のためだけにがんばることはできないという方もいらっしゃるでしょう。「喜ばせたい」「貢献したい」「応援したい」など、相手の反応こそが本当に深い感情のディープドライバーだというタイプです。

私が気に入っている天職の定義は、「天職とは、他人のために、自分のやりたいことをやること」。私はまさにこれがピッタリだと思います。

まずは自分を突き動かす動機、それが相手を喜ばせるということであれば、喜ばせる企画を立て、笑顔を想像して準備する、そのプロセスが楽しいのです。(59ページより)

ディープドライバーで活動した先にいる受け手の笑顔により、他人欲求が満たされるのが理想的だと著者は述べています。(59ページより)

「なにがしたい?」「どうなりたい?」「どう動く?」という3つのフェーズを細かくステップ分けし、解説とワークを示した一冊。

手順に従って取り組めば、人生に対する迷いから脱し、「自分が何者で、どう生きたいのか?」が明確になっていくと著者は断言しています。自分自身を問いなおすために、活用してみる価値は大いにありそうです。

Source: 中央経済社

メディアジーン lifehacker
2024年11月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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