料理初心者の夫が作った「滋養菓子」がYouTubeで13万回視聴のヒット!「ふつうの食材」の栄養価を最大限に活かす手法を管理栄養士が語る

インタビュー

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からだとこころがととのう滋養菓子

『からだとこころがととのう滋養菓子』

著者
沼津りえ [著]
出版社
日東書院本社
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784528024564
発売日
2024/09/24
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

料理初心者の夫が作った「滋養菓子」がYouTubeで13万回視聴のヒット!「ふつうの食材」の栄養価を最大限に活かす手法を管理栄養士が語る

[文] 辰巳出版


大豆、黒豆、小豆がどっさり3色豆ようかん

 管理栄養士で調理師の沼津りえさんは、東京都の阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催しています。シンプルで食材のうま味を引き出す、おしゃれなレシピに定評があり、新聞・雑誌・テレビなどのメディアでも活動中です。

 沼津さんが夫と運営するYouTubeチャンネルでは、「身近でふつうの食材の栄養価を生かした」あるお菓子のレシピを紹介したところ、13万回以上も視聴されたそうです。大ヒットしたお菓子のレシピや、簡単だけど体がととのう調理の心得について、沼津さんに語っていただきました。

大ヒットした常温で作れる「小豆の寒天」レシピとは?

 杉並区阿佐ヶ谷で料理教室「cook会」を18年ほど主宰しています。参加者は毎回20名程度。さまざま年代の方がおり、70、80代 の方もいらして「まだこの年で学ぶことがあるのね」と言ってくださることも。

 最近、こうした生徒さん(or参加者さん)からとても喜ばれたお菓子のレシピがありまして。それは「小豆の寒天」です。

 作り方は、水(500g)を沸騰させ、粉寒天(4g)を煮溶かし、市販の餡子(300g)と塩(少々)を加え混ぜる。それだけです。冷蔵庫で冷やす必要もありません。寒天は常温で固まりますから。器の下に保冷剤を敷いておけば、数分でプリプリに固まってしまいます。

 コツといえば、餡子が分離しないように少し置いておくこと。また、器からきれいに取り出せるように内側に水を通しておくことぐらい。

 このレシピはYouTube(阿佐ヶ谷夫婦チャンネル @asagayafufu)で、今年の7月に紹介したのですが、13万回 ほどの試聴がありました。コメントもたくさんいただきました。「寒天が常温で固まるなんて知らなかった」、「羊羹は難しいと思っていたけど簡単」など、皆さん意外な発見があったようでした。

 実はこの時は、料理初心者の夫が作り、私はカメラを回しながら作り方を指示するという役回り。夫が恐る恐る挑戦していた姿も面白かったのかな(笑)。

良い調味料を使うと味付けがシンプルになり、使う量も少なくてすむ

 YouTubeで紹介するレシピは「化学調味料を使わないで作ること」を基本にしています。もちろん、「cook会」の料理教室でも化学調味料は使いません。

 料理に対して、私なりに大切にしているのは、「身近な食材や調味料に最低限のこだわりを持つ」ということ。「塩、醤油、酒、味醂、味噌」といった毎日の調味料こそ、良いものを選ぶ。そうすると、味付けもシンプルになり、材料をたくさん買ったり、特別なものを買ったりする必要もなくなります。使う量も少なくてすむので、結果的に予算がかからず、節約にもつながるような気がします。それに日常にちょっと良いものを使うと、気持ちも豊かになりますし。

 例えば、醤油。スーパーにはたくさん醤油が並んでいますが、材料は「大豆、小麦、塩」ぐらいで、シンプルな材料のものを選んでいます。高価というわけではありません。

 先日、若い方と話す機会があったのですが、どうもだし入りの味噌と普通の味噌を同列に考えているようでした。だし入りの方が便利な気持ちはわかります。でも、だし入りの味噌には化学調味料なども入っています。この味に慣れてしまうのはちょっと寂しいですね。

辰巳出版
2024年12月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

辰巳出版

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