『入門 日本美術史』山本陽子著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

カラー新書 入門 日本美術史

『カラー新書 入門 日本美術史』

著者
山本 陽子 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
芸術・生活/芸術総記
ISBN
9784480076533
発売日
2024/12/09
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『入門 日本美術史』山本陽子著

[レビュアー] 産経新聞社

日本美術史は、外来文化を模倣する時代と、取り入れたものを独自に熟成させる時代が、波のように交互に訪れてきたという。日本中世絵画史が専門の著者が、仏像から西洋画まで、模倣と熟成の視点で楽しく解説。

最初の波は仏教伝来。それ以前は目に見えない神々を拝んでいた。百済の聖明王から仏像を贈られた欽明天皇は「見てびっくり」。北魏の仏像を手本にした飛鳥時代の仏像はやせ形だった。遣隋使や遣唐使が送られるようになると、様式が変わる。

王朝文化の熟成を経て、鎌倉時代に新技術の水墨画が入ってくる。室町時代の雪舟は明で水墨画を学んだ帰国僧で、「中国帰り」の肩書をフル活用したそう。(ちくま新書・1430円)

産経新聞
2024年12月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク