『シマエナガと交換日記２』ｆｏｒｅｓｔ＿ｌｉｍｉｔ／米田和志著

　ふわふわ、もふもふ。北海道に暮らす君の写真を眺めるうち、今の僕の心の動きを書きとめてみたくなった。

　ずっと見つめてたい。この指と手のひらで触れてみたい。いっそうのこと、家に連れ去ってしまいたい。でも、君は一か所にとどまる性格ではないから、きっと閉じ込めたら不幸になる。いつもの自分と同じことを繰り返しそうな予感がして苦しい。

　……これは、恋なのだろうか。違う。僕と紙の上にいる君は、永遠に隔てられている。生きる時間も空間も交わらない君をただ思う気持ちは、恋よりもっと純粋で、せつないものだ。

　著者は道内在住で、地球温暖化の影響も気にしながら、鳥や小動物を写真に撮っている。２０２３年末に出たシリーズ１作目は５刷を数え、２４年末に今著が出版された。にわかファンと言われても構わない。僕は、シマエナガになりたい。（オレンジページ、１５４０円）（Ｍ）

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