『遊牧王朝興亡史』白石典之著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年

『遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年』

著者
白石 典之 [著]
出版社
講談社
ジャンル
歴史・地理/外国歴史
ISBN
9784065383209
発売日
2025/01/16
価格
2,365円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『遊牧王朝興亡史』白石典之著

[レビュアー] 産経新聞社

中国や欧州など世界の歴史に大きな影響を与えてきたモンゴル高原の遊牧民の通史。遊牧の始まりから匈奴(きょうど)、鮮卑、突厥(とっけつ)、ウイグル、契丹(きったん)などを経て大帝国を築いたモンゴルまでをたどる。

著者はモンゴル各地の遺跡を発掘してきた。近年の考古学研究は理系研究者の協力で行われるといい、本書では出土人骨のゲノム解析や古木を用いた古環境研究などを取り上げている。漢王朝を脅かした匈奴の製鉄遺跡の調査で鉄生産の解明が進み、漢に比べ丈夫で切れ味のよい鉄の武器が匈奴の強さを支えた可能性が出てきたという。考古学の成果が興味深い。(講談社選書メチエ・2365円)

産経新聞
2025年2月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク