儲かるアイデアを探すコツ「小さなビジネスモデル」を生みだす2つの視点

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読むだけで「儲かるアイデア」を思いつく 小さなビジネスモデル100

『読むだけで「儲かるアイデア」を思いつく 小さなビジネスモデル100』

著者
酒井 威津善 [著]
出版社
ソシム
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784802614771
発売日
2025/02/04
価格
1,980円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】儲かるアイデアを探すコツ「小さなビジネスモデル」を生みだす2つの視点

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「ビジネスモデルアナリスト」である『読むだけで「儲かるアイデア」を思いつく 小さなビジネスモデル100』(酒井 威津善 著、ソシム)の著者には、感じることがあるのだそうです。

「ビジネスモデル」は高尚なもので、一部の頭のいい人だけが使いこなせるものであるというイメージを持っている人が多いのではないかということ。しかし“ビジネスモデルを生み出す”という一点に絞れば、必ずしもそうではないというのです。

ビジネスモデルを構築するうえで大切なのは、「ビジネスを生み出すという視点で物事を観察すること」。つまりビジネスで儲けるチャンスはいたるところに転がっており、それを見つけられるかどうかによって勝敗が分かれるというわけです。

そして著者によれば、本書を読めば必ず膨大な利益をもたらすビジネスを生み出すことができるのだとか。満足な資金や人手がなかったとしても、です。

必要なことは、

1日5分、ちょっとしたスキマ時間で100の視点を眺めること

それだけで、オリジナルのビジネスモデルを思いつき、

気づいたときには売上がうなぎのぼりになっているでしょう。(「はじめに 誰でもできる『儲かるビジネス』を生み出す方法」より)

「お金」「顧客」「用途」「形態」「場所」「価値」と、さまざまな角度からそれぞれの「視点」を簡潔にまとめているところが本書の最大の特徴。そのため、必要なことを効率的に解釈することができるわけです。

きょうはそのなかから、第6章「価値の視点」を確認してみたいと思います。ビジネスでは、変化し続ける価値に敏感に反応し、それを活かすことが欠かせないもの。そこで、そのための力を身につけるための視点が明らかにされているのです。

Q:将来をどこまで想像できるか?

日本の生命保険市場は、約38兆円という巨大な市場規模を誇る。

しかし、生命保険は国内では広く行き渡り、飽和状態になりつつあるとも言われる。

その中で、近年その市場規模が急拡大しているペット市場にも保険商品が増えている。どんな商品か?(219ページより)

HINT! 人と同じ仕組みを使えないだろうか……?(219ページより)

成功例:ペットのための医療保険

ここで紹介されているアニコム損害保険株式会社の「ペット保険」は、ペットのための医療保険。全国すべての動物病院で利用でき、健康保険と同じく窓口精算が可能な病院もあるのだそうです。

注目すべきは、同社のペット保険の加入者数が119万件に及ぶという事実。人間とは違ってペットにはこれまで保険制度がなかったため、症状によっては高額な医療費が継続的にかかっていました。そのため避けることのできなかった悩みを、ペット保険が解消したわけです。

「保険」は、継続的な保険料収入によって安定した収益が期待できます。“もしものとき”のための備えなので、顧客との長期的な関係を無理なく構築しやすいこともメリットであるといえそうです。

ペットにかかる費用は年間で、犬で約30万円、猫で約17万円(そのうち医療費は約4万円)。抑えられるなら抑えたいのが本音でしょうから、そこで「保険」が意味を持つのです。

ちなみにペットに限らず、新たな保険のサービスは次々と生み出されているので、「もしもの費用に備えたい人はいないか?」と考えてみることが「発想のコツ」となるようです。

POINT 既存サービス × 保険(220ページより)

例としては、野外活動の捜索・救助に備える「レスキュー費用保険」(ABC少額短期保険株式会社)、旅行時の雨天に備える「お天気保険」(ジャパン少額短期保険株式会社)などが挙げられるといいます。(220ページより)

Q:知識を商品にできないだろうか?

現在、日本には公的なものから私的企業が提供するものまで含めると、1000以上の資格が存在する。中には「そんなことが資格になるの?」と思われるものもあるが、業界やサービスを細分化していくと、必要とされている。

たとえば、ある食品の独特の匂いや風味、食感を正しく特定できるか問う資格がある。どんな食品か?(221ページより)

HINT! 洋食では欠かせないもの……?(219ページより)

成功例:チーズの知識を証明する「資格」

NPO法人チーズプロフェッショナル協会が運営する「チーズプロフェッショナル」は、チーズの基礎的な知識と取扱いに関する習熟度を証明する資格。2024年度の受験者数は241名だというので、チーズを取り扱うプロからチーズ愛好家までのニーズをしっかりつかんでいるといえそうです。

たとえば、それがいい例。資格は業種業界を問わずたくさん存在するため、一定数の資格取得希望者が見込めれば、安定した収益を見込めるのです。

「発想のコツ」は、“人が仕事をする目的は「キャリアアップ」「対外的な信頼性の向上」「達成感」”など。そこで、“この商品が、どうすれば「キャリアアップ」につながるか”“社会的な信頼があったほうが有利になる仕事は?”と考えていけばいいわけです。

POINT 既存サービス × 資格(222ページより)

例としては、キッチン空間アドバイザー「キッチンスペシャリスト」(公益社団法人インテリア産業協会)、化粧品の知識を示す「日本化粧品検定」(一般社団法人日本化粧品検定協会)などがあるそうです。(220ページより)

必ずしも最初から順番に読み進めていく必要はなく、自分が知りたい箇所を確認するだけでも効果が見込めそうな内容。儲かるアイデアを探し出すために、参考にしてみてはいかがでしょうか。

Source: ソシム

メディアジーン lifehacker
2025年2月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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