『飛鳥・藤原の歴史と遺産 上』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
『飛鳥・藤原の歴史と遺産 上』 木下正史著
[レビュアー] 産経新聞社
ユネスコ世界文化遺産候補として、正式版推薦書が1月に提出された「飛鳥・藤原の宮都」の価値を解説。南北8キロ、東西6キロ程度の範囲のどこを掘っても遺構が見つかる一つの巨大遺跡で、国際交流を通じて新しい制度や技術、生活様式などを受け入れた「古代の文明開化」を物語る。しかも、今後も新発見が期待できるそうだ。
上巻の副題は「宮都の建設と生活」。飛鳥に建設された漏刻施設には、増大した役人層に出退刻限を示す政治的意図があったとみられる。藤原宮には大量の瓦が水運を利用して運ばれ、水洗式便所が整備されたという。下巻は今月発売予定。(吉川弘文館・2420円)