『生き続ける震災遺構』坂口奈央著

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生き続ける震災遺構

『生き続ける震災遺構』

著者
坂口 奈央 [著]
出版社
ナカニシヤ出版
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784779518508
発売日
2025/03/11
価格
3,960円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『生き続ける震災遺構』坂口奈央著

[レビュアー] 産経新聞社

著者は岩手県の民放アナウンサー兼記者として東日本大震災を取材、その後に災害社会学者に転じた。三陸地方での10年超の調査から津波で変貌した建物など「震災遺構」に住民がどのような意味を見いだしてきたかを考察した。

大震災後に防災教育などへの利用から研究者らが保存を主張して「震災遺構」という言葉が広まったが、被災地では変わり果てた建物の保存か解体かで葛藤。住民が津波に耐えた樹木などに「おらほ(私たち)の遺構」と思いを寄せる一方、今では訪れなくなった遺構もあるという。大震災14年を機に遺構について改めて考える。(ナカニシヤ出版・3960円)

産経新聞
2025年3月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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