小学校「低学年」で算数を苦手にさせないための「朝の10分習慣」とは? SAPIXの専門講師が教える「親が気をつけたいポイント」
インタビュー
『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』
- 著者
- 佐藤智 [著]
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- ジャンル
- 社会科学/教育
- ISBN
- 9784799331026
- 発売日
- 2024/11/22
- 価格
- 1,760円(税込)
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小学校「低学年」で算数を苦手にさせないための「朝の10分習慣」とは? SAPIXの専門講師が教える「親が気をつけたいポイント」
[文] ディスカヴァー・トゥエンティワン
たった10分!算数を苦手にしない工夫とは
「子どもが算数に苦手意識を持ってしまったらどうしよう」 「楽しく計算問題に取り組むイメージが持てない……」
そんな悩みを抱える保護者の方も少なくないでしょう。難関校への合格実績で有名な進学塾大手「SAPIX(サピックス)」で小学部算数を担当する広野雅明先生は、子どもが算数に苦手意識を持たないようにするために重要なのが、低学年における「算数との出会い」だといいます。
子どもが楽しく算数を学べるように、親はどのようなポイントをおさえておくべきなのでしょうか。
教育ライターで『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』の著者・佐藤智さんによる、広野先生へのインタビューをお届けします。
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朝の10分間で「苦手にしないため」の算数との接点を
佐藤:低学年での算数の学習で注意しておくべきことはどんなことでしょう?
広野:低学年において最も重要なことは、「算数を楽しむことと自分で問題を解くこと」です。そのため、なるべくお子様が楽しめるような問題を用意することと、現時点の学力で十分に解ける問題に向き合っていくことが非常に大切です。サピックスの教材では、単なるドリルではなくお子様が興味を持てるような問題をたくさん収録しています。また、時間をかければ解ける問題を出題することを心がけています。
佐藤:子どもが「楽しい」と感じながら算数に触れていくとは、どういうことでしょう?
広野:算数では、まずは計算がしっかりできることが必要です。小学校2年生でかけ算九九、小学校3年生ではわり算のほか小数や分数も学びます。短期間で習得しようとして詰め込むとかえって苦手意識が高まる恐れがあります。また間違えたことを過度に責めると、気持ちが離れてしまいます。習得の過程ではある程度ミスがあるという前提で、間違えたら一緒に解きなおしてあげることも大事です。間違えたことを責めるのではなく、できた問題を評価していきましょう。
そのため、例えば毎朝10分間程度の時間で計算練習をしていくことをおすすめしています(サピックスでは基礎力トレーニングという冊子をご用意しています)。長時間の学習よりも毎日少しずつ学習を繰り返すことが効果的です。
子どもが楽しめる教材を探してみよう
佐藤:ゲーム感覚で算数に触れるにはどんな方法がありますか。
広野:ゲーム感覚を出すためには、2つの方法があります。1つは問題の素材がおもしろい問題集を探すこと。もう1つは、親子や兄弟姉妹で競い合うことで子どもの心をくすぐる方法です。
1つ目でいうと、例えば、サピックス小学部の低学年の教材は、素材のおもしろさを大事にしています。見た瞬間は、解き方はわからないけれど、自分で調べて、考えてみることによって、少しずつ問題の仕組みがわかって答えが出せるような問題となっていることが特徴です。考えることが楽しいと思う体験を、特に低学年の間は大事にしていく必要があると考えています。
まずは好きなキャラクターが載っているなどでもいいので、子どもと一緒に楽しめそうな教材を探してみてもいいでしょう。
『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』より転載