『ユダヤ人の歴史』鶴見太郎著

古代に離散し、歴史教科書にあまり登場しないユダヤ人の通史。ユダヤ人といえば、シェイクスピアの『ベニスの商人』に登場する強欲な金貸し。だが、創作当時のイングランドにはユダヤ人がおらず、想像の産物だという。

金持ちのイメージもあるが、1900年時点でユダヤ人口の半数が住んでいたロシア帝国では貧困層が多かった。19世紀から20世紀初頭にウクライナなどで起きたポグロム（民衆間の集団暴力）の被害や、ナチス・ドイツによるホロコーストへの中東欧諸民族の協力について記述する教科書は少ないとも指摘している。3000年を見渡す貴重な一冊。（中公新書・1188円）

• 中央公論新社
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• ユダヤ人の歴史-古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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