『ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語』塩田雄大著

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ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語

『ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語』

著者
塩田 雄大 [著]
出版社
世界文化社
ジャンル
語学/日本語
ISBN
9784418252114
発売日
2025/03/27
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語』塩田雄大著

[レビュアー] 産経新聞社

「置き去りにされる」という意味の日本語は、「おいてけぼり」か「おいてきぼり」か―。NHK放送文化研究所に勤める日本語の専門家が、揺れ動く日本語の実相を豊富な調査データで裏付ける。

語源となったのは江戸・本所の「おいてけ堀」という池。ここで魚釣りをすると、水中から「置いてけ」と声がしたと伝わる。時代が下るにつれて後発の「おいてきぼり」が主流となり、昭和40年にはNHKでも使用を推奨。しかし現代では逆に、若年層ほど古い形の「おいてけぼり」を使っているのだという。言葉の揺れをとがめるのではなく、楽しむための一冊だ。(世界文化社・1870円)

産経新聞
2025年4月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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