『日本神話の考古学』森浩一著

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日本神話の考古学

『日本神話の考古学』

著者
森 浩一 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784040825366
発売日
2025/01/10
価格
1,056円(税込)

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※書籍情報の無断転載を禁じます

『日本神話の考古学』森浩一著

[レビュアー] 産経新聞社

神武天皇の「東征物語」の背景には弥生後期の戦乱があった―。文字史料と遺跡や遺物、神話などを総合的に考察する「古代学」の第一人者が、『古事記』『日本書紀』の記述と考古学の研究成果を照らし合わせ、大和朝廷誕生以前の日本古代史を見通す。

神話と考古学は相反するように思える。しかし著者は、考古学において神話に言及しないことを科学的とするのは「逃避的な現象」と指摘する。イザナミのいた黄泉(よみ)の国と古墳時代の横穴式石室の関係。高地に残る山城に似た弥生遺跡。科学の視点でひもとかれた神話は、人々の営みを浮かび上がらせる。(角川新書・1056円)

産経新聞
2025年4月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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