文筆家で日本酒サロン店主の著者が、40年前に離婚した両親との思い出と「母の看取り」「父の見送り」をたどったエッセー。
離婚当時、著者は小学4年。母は東京・歌舞伎町のクラブでホステスとして働き、3人の子供を育て上げた。金沢で建築設計事務所を営む父は人たらしで、その後も再婚、離婚を繰り返した。「だいぶチャーミングだった」と振り返る両親に妹、弟、父の再婚相手、母の恋人らも交え、風変わりだが確かな親子関係がつづられる。
この親子ならではのエピソードの数々や、映像が浮かび上がるような情景など著者の文章も魅力的だ。(光文社・1870円)

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2025年4月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
