『ファラオ』
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『ファラオ』馬場匡浩著
[レビュアー] 産経新聞社
エジプトで発掘調査に携わる著者が、ファラオの役割からミイラの作り方やピラミッドが造られた目的まで、エジプト文明を最新の考古学的知見に基づき紹介する。
3000年にわたるエジプト文明の起源ともいえる遺跡では、最初のファラオにつながるエリートたちの墓地に動物の墓もあった。彼らはカバやワニなど野生動物を捕獲し飼育していたとみられる。
突然、東方から侵入して第15王朝を開いたとされてきた異民族のヒクソスは、第12王朝末から徐々に増えた移住者で、もとは傭兵や船員らだったとする新解釈も取り上げている。ファラオの実像に迫る一冊。(ちくま新書・1056円)