植物生理学の専門家が、植物の「心」に焦点を当て、その巧みな性質や仕組みを解き明かす。
例えば、一つの花にオシベとメシベを有する両性花。自家受精で事足りると思いきや、実はメシベは背を高く伸ばして、同じ花のオシベの花粉が付かないようにしている。そこから、多彩な性質を持つ種を残し、子孫繁栄につなげたい〝親心〟を感じるという。
また、紫外線にさらされる身をビタミンCなどの抗酸化物質を作って守ろうとする姿からは、逆境に負けない心意気も。まるで意思を持つかのような植物の〝生き方〟の極意に、自然界の神秘を感じる。(SB新書・1045円)

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2025年5月4日 掲載
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