『河内と船場』山本昭宏編著

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河内と船場

『河内と船場』

著者
山本 昭宏 [編集]
出版社
ミネルヴァ書房
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784623097845
発売日
2025/03/07
価格
3,080円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『河内と船場』山本昭宏編著

[レビュアー] 産経新聞社

「大阪」といえば。お笑いであり、人々はがめつくて―というステレオタイプな大阪像の形成過程を8人の研究者が解き明かす。

鍵となるのが、タイトルにもある河内地方だ。今東光(こんとうこう)の小説によって「柄の悪さ」が誇張された面を指摘しつつ、同時期の大阪を舞台にした山崎豊子らの作品とも比較。映画やラジオ、そしてお笑いが与えた影響など、多面的に大阪像の形成過程をたどる。

「凡庸な『大阪』のステレオタイプがあるからこそ、『本当の大阪』を語る言説は活性化する」という一文の通り〝ほんまの大阪〟を語りたくなる一冊だ。(ミネルヴァ書房・3080円)

産経新聞
2025年5月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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