交通事故で生死をさまよった男性の人生を変えた「3000冊の読書」とは? ベストセラー作家になった「コ・ミョンファン」インタビュー

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本は人生を生き抜く最強の武器である

『本は人生を生き抜く最強の武器である』

著者
コ・ミョンファン [著]/小笠原藤子 [訳]
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784799331521
発売日
2025/05/24
価格
1,980円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

交通事故で生死をさまよった男性の人生を変えた「3000冊の読書」とは? ベストセラー作家になった「コ・ミョンファン」インタビュー

[文] ディスカヴァー・トゥエンティワン

コ・ミョンファン流 人生を豊かにする読書の秘訣

――本から得た知恵が、ご自身だけでなくファンの方々の人生も変えていったんですね。
さて、日本では「読みたくても本が読めない」という人が非常に多いことが話題になっています。この状況を、ミョンファンさんはどのようにお考えですか。

韓国でも状況は似ていて、多くの人が仕事や人間関係に追われ、本を読む時間がなかなか取れません。

でも私は、こう考えています。
「忙しいから本が読めないのではなく、本を読まないから忙しくなるんだ」と。

本を読むことで、自分の今の状況やこれからの進むべき方向が見えてくるようになります。

たとえば、私が経営している飲食店でもこんなことがありました。
以前は、お客様に喜んでほしくてメニューをどんどん増やしていったんです。でもそれで忙しさは増す一方でした。
そんなとき、たまたま読んでいた本に「韓国には糖尿病患者が2,100万人いる」という情報がありました。
そこから「血糖値の上がりにくい蕎麦をメニューに取り入れよう」と思い立ち、提供を始めたところ、ニーズにマッチしてお店は好調に。

本を読む前は、何が重要か見えず手当たり次第にやっていましたが、本のおかげで「どこに集中すべきか」がわかるようになったのです。

――「本を読まないから忙しい」…なるほどと思わされました。

でも、「それでも本を読む習慣がなかなか身につかない」という人には、どんなアドバイスがありますか?

私は「1日10ページだけ読む」という読書法をおすすめしています。
少しでも読めば、自然と「もう少し読みたい」と思えるようになるからです。

この「10ページ読書法」を広めて3年になりますが、多くの方から「この方法で読めるようになった」と声をいただいています。

さらに読書を「武器」として強化するために、「30ページ読書法」も提案しています。
これは次の3冊を用意して、それぞれ10ページずつ読むという方法です。

1. 好きな本
2. 哲学に関する本
3. 科学に関する本

10ページ読んだら本を変える、というリズムで読んでいきます。

この方法の狙いは、頭の中を“あえて複雑にする”ことです。
普段の思考とは違うジャンルの本を読むことで、脳内にカオスが生まれ、それが新たなアイデアや問題解決のヒントにつながるんです。

哲学や科学の本は、世の中の原理に対する好奇心や、検証する姿勢を育んでくれます。だからこそ、読んでほしいジャンルです。

ジェフ・ベゾスもスティーブ・ジョブズも、アイデアは「散歩中に思いつく」と語っていましたよね。
きっと彼らも日頃から多くの本を読み、複雑な思考を巡らせていたからこそ、ふとした瞬間にひらめいたのだと思います。

そんな体験ができるのが「30ページ読書法」です。忙しい人にもおすすめのメソッドですよ。

――お話を聞いていると、自然と本を読みたくなってきます。
では最後に、日本の読者へのメッセージをお願いします。

私は「本を通じて、自分の中にいる偉大な人たちに出会えた」とお話ししました。
同じように、皆さん一人ひとりの中にも、必ずたくさんの偉大な存在がいます。

けれど、多くの人はその存在に気づいていません。
だからこそ、人生の答えが見つからず悩んでしまうのだと思います。

でも、本を読めば必ずその人たちに出会えます。
そしてその人たちは、あなたに知恵と力を与えてくれるでしょう。

ぜひ読書を通して、その出会いを体験してみてください。
本は、あなたが人生を生き抜くための最強の武器です。

 ***

コ・ミョンファン(고명환)
たった1日でYouTube動画100万回の再生回数を記録し、初めての出版から1ヶ月余りで数十カ所から講演依頼を受けた自己啓発のアイコンであり、現代最高のモチベーションの専門家。4年近く毎日肯定的なアファメーションを叫び、人生のアドバイスを10万人以上の購読者に伝えている。
自分の話を必要とする人がいれば、どこへでも行き、老若男女を問わず誰にでも自分のノウハウを惜しみなく伝えている。
サムスン、ウォルサン建設、メリッツ火災などの大企業から、中小ベンチャー企業部と中小企業家協会、大学や小学校、全国にある読書会まで、本に関連するテーマならためらうことなく駆けつける。
現在、4つの飲食店を運営しており、執筆や講演、公演企画や制作など様々な分野で楽しく働いている。次の目標は、めちゃくちゃな図書館を建てて図書館長になること。
2024年、ノーベル文学賞受賞者のハン・ガンと並び、第11回教保文庫出版アワード「今年の作家賞」を受賞し、注目されている。

ディスカヴァー・トゥエンティワン
2025年5月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

ディスカヴァー・トゥエンティワン

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