『カラー版 本ができるまで 増補版』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
『本ができるまで 増補版』岩波書店編集部編
[レビュアー] 産経新聞社
15世紀のドイツでグーテンベルクが発明した活版印刷術は、高速・大量の情報伝達を可能にし、ルターの主張の伝播(でんぱ)によって宗教改革が加速するなど社会を大きく動かした。近代日本でも動力印刷機の導入が1冊1円の安価な全集などを配本する円本ブームを支え、本がより身近に。戦後はコンピューターによる電算写植や、印刷前の工程をパソコンで処理するDTPなど、技術革新が相次いだ。
こうした歴史を学べるのが本書だ。初版刊行から22年を経て、本づくり現場で今なお受け継がれる職人仕事にも焦点を当てて増補。モノとしての本を愛する人にお勧め。(岩波ジュニア新書・1320円)