『タコ・イカが見ている世界』
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『タコ・イカが見ている世界』吉田真明・滋野修一著
[レビュアー] 産経新聞社
日本人にとって日常的な食べ物であるタコやイカ。しかし生命科学の分野では、動物の学習と記憶の仕組みはタコの脳から、神経が電流を流して情報を伝える仕組みはイカの神経から、解明されてきたという。タコ・イカ研究が科学の発展をどう支えてきたか、頭足類の専門家が教えてくれる一冊。
イカの運動神経は、魚から進化したヒトを含むすべての脊椎動物より太く、ダイオウイカに至ってはうどんほどの太さになる。タコの脳は、入力された情報を掛け算してより重要な情報に注意を向ける、生成AI(人工知能)のChatGPTの基本構造と似ているという。(創元社・1980円)