『ジジイの昭和絵日記』
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『ジジイの昭和絵日記』沢野ひとし著
[レビュアー] 産経新聞社
昭和19年生まれでイラストレーター・エッセイストの著者がまさに「共に生きてきた」戦後の記憶をたどった書き下ろしエッセー。
誕生間もなく被災した2度の大地震、昭和20年代の貧しくもたくましい暮らし、混迷する政治と学生運動、光と影の東京オリンピック、そしてバブル…。平和な時代の中で、商売に挫折した両親や優秀な兄ら家族に囲まれ、「精一杯張り切り仕事をし、目一杯遊んできた」日々がつづられる。
物価の変動や社会風俗など昭和の世相に共感を覚える世代も多いはず。柔らかなタッチの文章と各ページに入るイラストも味わい深い。(文芸春秋・2255円)