『蜘蛛 なぜ神で賢者で女なのか』
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『蜘蛛』野村育世著
[レビュアー] 産経新聞社
クモは見た目で毛嫌いされがちだが、「朝のクモは神様の使い」といった俗信も根強い不思議な生き物だ。クモを愛する日本中世史の研究者が、愛憎入り交じる日本人とクモの関係をひもとく。
古代には大和王権に帰順しない人々が「土蜘蛛(つちぐも)」と蔑視された一方で、クモが自宅に巣を張ることを意中の相手が訪れる吉兆と喜ぶ和歌も詠まれた。糸をつむぐクモは、七夕の織姫のイメージと結びついて恋の歌に盛んに詠まれ、賢いクモが人間を助ける説話も多く生まれる。しかし、14世紀に突如として妖怪化が進み、日本人のクモ観が大きく転換したという。(講談社選書メチエ・2970円)


























