『グローバルに通用する英語独学バイブル』
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【毎日書評】元・英語弱者がAmazonで働けるようになった理由は「語彙力」を鍛える独学法にあり
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
在米12年になるという『こうして僕はAmazonシアトル本社でプロダクトマネージャーになった! グローバルに通用する英語独学バイブル』(ゆう 著、大和出版)の著者は、Amazonシアトル本社でプロダクトマネージャーを務めている人物。
いかにも英会話が堪能そうですが、じつは大学卒業まで一度も海外に出たことがなく、英会話もろくにできない“英語弱者”だったのだそうです。
ところが、アメリカ赴任が決まって“仕事で英語を使わざるを得ない状況”に追い込まれ、なんとか英語を身につけようと独学で試行錯誤を繰り返したのだとか。本書は、そのようなプロセスを経てきた結果、「これは効果があった」と実感できた勉強法だけをまとめたものなのです。
著者によれば特徴は、語学の才能がなく、日本語で脳が凝り固まった大人でも、「これをやれば英語で仕事ができるレベルになれるよ」という勉強法を伝えている点。
そして注目すべきは、「英語のシャワーを浴びるだけで知らないうちに英語が話せるようになる」「ネイティブの子どもが英語を覚えるのと同じやり方で英語を覚えるべき」といった考え方を真っ向から否定していることです。
なぜなら、長年日本語に浸り続けてきた大人が、そんな簡単な勉強法で英語を克服できるはずがないから。
本書の対象読者は、「英語を使って海外で活躍したい」というひそかな思いはあるものの、自分とは違う世界の話だとあきらめかけてしまっている大人たちです。(「はじめに」より)
「英語は勉強したけれど、結局は話せるようにはならなかったから、海外で活躍するなんて無理だろう」と思い込んでいる大人たちに、「英語を話せる世界線は、いまいる場所と地続きでつながっている」という事実を伝えること。本書はそれを目的としているのだそうです。
きょうはPART 1「語彙――「見てもわからない単語」を減らしていこう」内の、「結局、語彙がないと始まらない」というパートに焦点を当ててみたいと思います。
英語学習は、語彙に始まり語彙に終わる
単語を覚えるのは、やはりつらいもの。著者も英語を学ぶにあたり、昔から単語を覚えることがいちばん嫌いだったようです。
とはいえ英語学習にとって、語彙は重要。英文を読んでいるとき、1ページにわからない単語が10〜20個もあったとしたら、内容を理解することはとても難しくなってしまうからです。
だいいち、英文を読んでいる時間より単語を辞書で調べている時間のほうが長くなってしまったとしたら、時間ももったいない気がします。
また、日本人が英語を聞いて理解できない理由には、音そのものが聞き取れていないということ以外に、“そもそもの単語を知らない”ということが往々にしてあるもの。
著者もアメリカ人と話していて、そういった経験をしたことがあるそうです。何度聞きなおしても、どれだけゆっくり話してもらってもわからなかったため紙に書いてもらったら、見たことも聞いたこともない単語だった――そんなことが何度かあったというのです。
そしてライティングやスピーキングなどのアウトプットにおいても、同じことがいえるようです。
どんなに文法が完璧でも、使える単語が少なかったらどうしようもない。
「難しい言葉なんて使わなくても、多少回りくどくても簡単な言い回しで説明すれば大丈夫だよ」なんて言う人も確かにいます。
それは僕も基本的には賛成なんですが、やはりものには限度があって、「あの、このくらいの長さの棒で、両側に丸い綿みたいなのが付いていて、耳掃除に使うやつ」と毎回説明するより、「綿棒」という単語を覚えたほうが便利です(ちなみに綿棒は英語でcotton swabsと言います)。(15ページより)
ここからもわかるとおり、語彙力はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングというすべての技能に共通して必要な“土台となる力”だということです。(14ページより)
やっぱり単語帳が最強だ
では、どうやって単語を覚えればいいのでしょうか? 意外なことに、この問いに対して著者は「市販の単語帳が最強」だと断言しています。自身も以前は「単語帳なんかで生きた英語は学べない。実際に英文を見たり聞いたりして、その過程で出てきた“知らない単語”を覚えていくべきだ」と思っていたそう。
しかし、その方法はとにかく効率が悪いことに気づいたというのです。たしかに多読や多聴を通じて語彙を増やそうとすると、「どの単語にどれくらい頻繁に出会えるか」は偶然に左右されることになります。
例えば、海外ドラマを見たりニュース記事を読んだりしても、重要な単語に充分な頻度で触れられるとは限りません。
その点、単語帳は、膨大な英文データベースから使用頻度の高い単語がリスト化されており、非常に効率よく学習できます。(18ページより)
また、多くの単語には複数の意味がありますが、そのすべてを覚えようとするのは非効率的。その点、単語帳なら本当に覚えるべき意味だけに絞ることができるため、労力を削減できるわけです。また、単語帳アプリを利用するのもいいようです。(17ページより)
単語帳の正しい選び方
単語帳を使うにしてもアプリを使うにしても、選び方で悩むことになるかもしれません。とくに、どのレベルの単語帳を使うべきかは、今後の学習効率を大きく左右することになるでしょう。
おおまかな目安ではありますが、単語帳の前半をパラパラ眺めてみて、知らない単語が半分以上あれば、それはちょっとレベルが高すぎるのかもしれません。
多くの単語帳は難易度順に並んでいるので、前半でそんな状態ということは、1つ下のレベルの単語帳の単語を取りこぼしている可能性が高いです。(20ページより)
逆に、前半で8割以上の単語がわかるようでは効率が悪そう。知っている単語ばかりでは意味がありませんし、知らない単語ばかりだと心が折れるので、「パッと見て、6割くらいはわかるかな」というくらいのレベルがちょうどいいそうです。(19ページより)
もしも英語を武器としてグローバルに活躍できるようになりたいのなら、本書を活用してみてほしいと著者は述べています。実体験に基づいているだけに、効能は期待できそうです。
Source: 大和出版


























