『ロバのクサツネと歩く日本』
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【聞きたい。】高田晃太郎さん 『ロバのクサツネと歩く日本』 列島縦断で「いい国」再確認
[文] 斎藤浩(産経新聞社)
新聞記者を経て現在は「ロバ飼い」。相棒の8歳オスのロバ、クサツネと北海道南部の八雲町で暮らす。「穏やかな目で心も穏やかだが、5000年も前から家畜として人間を手助けしてきた強い生き物だ」とロバの魅力を語る。
2作目の著書となる本書はクサツネを引いて日本列島5500キロを縦断した旅の紀行。前作では別のロバとモロッコなど3カ国を歩いたが、検疫などの問題でロバと国境を越えることが難しかった。
帰国後、栃木でロバを50万円で購入。「えさの草と常に出合えるように」とクサツネと名付け、「一緒にどこまでも歩ける、自分が生まれ育った国ならどんな感じだろう」と列島縦断の旅に出た。
一昨年7月に栃木を出発してから1年2カ月間、山陰・九州・四国を経由し北海道まで、草があるところをたよって農村や過疎地を巡った。夜は戸外でテントを張って寝ることも多かった。
道中では糞(ふん)などに関する苦情もなく、行く先々で歓迎され、福島では100歳の女性が「長生きすると、いろんなものが見られるね」と初めて見たロバに満足してくれた。
「日本っていい国だな」と再確認した。そして、「多くの人は本物のロバを見たことがない」と知った。無理もない。ロバは世界に5000万頭生息するが、日本ではわずか数百頭とされる。「中東などの乾燥地帯にすむロバは、雨が多く湿潤な日本に向いていない。日本では農耕に牛や馬が使われてきた」と話す。
ロバは荷物を背負って1日20~30キロ歩ける。八雲町では300リットルの海水を沿岸から3キロ離れた小屋までクサツネに運ばせて塩作りに励む。秋には、塩を積んだリヤカーをクサツネに引かせて千葉まで行商に出る。かつて日本には、貴重品だった塩を牛馬が運ぶ「塩の道」が張り巡らされていた。クサツネと現代の「塩の道」作りを目指す。
行商後はクサツネを知人に預け、アフリカへ向かう計画だ。中国で漢方薬の原料となるロバ皮の調達先になっているという。「毎年、ロバが生息する国で〝ロバ文化〟を取材し、いつか『世界ロバ大全』を出版したい。ロバ抜きの生活は考えられない」と意欲を見せる。(河出書房新社・1892円)
斎藤浩
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【プロフィル】高田晃太郎
たかだ・こうたろう ロバ飼い。平成元年、京都府生まれ。令和5年刊行の前作『ロバのスーコと旅をする』で昨年、第9回斎藤茂太賞選考委員特別賞を受賞。


























