『新版 気のきいた短いメールが書ける本』
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【毎日書評】メールは「仕分け」が9割。レスが劇的に速くなる短いメール実践法
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
メールは便利なツールですが、端的にわかりやすく、失礼がないように書くことは難しくもあります。ともすれば、ていねいだけれど長文で趣旨がわかりづらかったり、気づかいに欠けた表現になってしまったりしまいがちです。
しかし、そうしたリスクの少ない「気のきいた短いメール」が書ければ、相手からの信頼が高まり、仕事も効率的にこなせるようになるはず。そこで参考にしたいのが、『新版 気のきいた短いメールが書ける本』(中川路亜紀 著、ダイヤモンド社)です。
著者によれば、本書では以下の5つの力をサポートし、メール仕事を効率化することを目指しているのだとか。
① 気のきいた短いメールを書く力
② アレンジ力・語彙力
③ 敬語力
④ ネットに振り回されない力
⑤ チャットも活用する力
(「はじめに」より抜粋)
まず①は、「状況をふまえて必要な内容が選ばれ、簡潔に礼儀正しく述べられているメール」を書くための対応策。②は、相手との関係性や事態の軽重によってメールの空気感をアレンジするための策。③は文字どおりの敬語の使い方。④は正しい知識を見極めるための方法。⑤はチャットを使いこなすためのノウハウ。
このように、メールをより的確に、効率よく使いこなすためのノウハウが多角的に紹介されているのです。
きょうは第1部「気のきいたメール仕事15のポイント」のなかから、2つの基本的な項目を抜き出してみたいと思います。
メール仕事をコンパクトに
著者はここで、メール仕事をコンパクトにするために必要な3つのポイントを紹介しています。
1. メール処理はまとめてやる
メールチェックは、決まった時間にまとめてこなすと効率的。頻繁にメールチェックをすると、そのつど予定外の時間を取られたり、他の仕事に紛れて重要な返信を忘れてしまったりと、効率が悪くなってしまうからです。
2. メールは仕分けて対応
メールを開いたら、以下のどれかに仕分けて処理するといいそうです。
① 簡単な返信で済むとき:了解したことを伝えるだけの場合、ひとことお礼をいえばすむ場合は、簡単なメールを即送信。
② 相手が一刻も早い返事を求めているとき:YES・NO・保留のいずれかを即送信するべき。保留する場合は、「いつまでに返事するか」を明記し、確実に返信できるよう必要な手を打つことが大切。
③ 返信に確認・検討のための時間が必要なとき:相手がそれほど急いでいないのであれば、返事に1日程度の時間をとることは失礼にはあたらないもの。きちんと調べ、あとで返信するほうがいい場合もあるわけです。
④ 特別にていねいな返信が必要なとき:相手がVIPだったり、デリケートな要件だったりして、返信文をじっくり検討したい場合は、あとで返信するほうがよいかもしれません。
3. メールから派生する仕事も仕分ける
多くのメールには、「小さな確認依頼」「作成依頼」「送付依頼」などが含まれているもの。メールを開くたびにそれらを片づけようとすると、収拾がつかなくなることも考えられます。そこで上記の「メールの仕分け」と同じように、派生する仕事も「すぐにできるもの」と「時間がかかるもの」に仕分けすると便利。
時間がかかるものについては、忘れないようにリスト化し、ひととおりメール処理をしたあと、時間をとって対応すればよいのです。(16ページより)
返事の「後回し」はあり?
後回しにせざるを得ないものは、仕分けをして忘れないようにすればいいので、返事の後回しは「あり」
ただし返信は、遅くとも受信した翌日いっぱいまでにするのが原則です。それ以上遅くなる場合は、「2、3日お時間をください」などと保留の返事をしておくことが大切。忘れないようにするためには、次のような備忘対策が有効であるようです。
1. PCに付箋を貼る
超アナログなこの方法の利点は、「山本さんに請求書送る」など、メールから派生する仕事もメモできるところ。PCの前に座るたび目に入るため、リマインド効果も抜群。終わったら、はがして捨てればいいだけです。
2. 新規ウィンドウを開いておく
上司に確認してから返信する必要がある場合など、その日のうちに決着がつきそうな状況であるなら、返信ウィンドウを開いたままにしておいてもOK。ただし、メールソフトを終了する際には、未返信のものまで閉じてしまわないように注意が必要。
3. フラッグ・未開封マークを利用する
メールソフトのフラッグ機能、未開封メール識別機能も積極的に活用したいところ。ちなみに未開封マークは開封すると消えてしまいますが、手動でもとに戻すことも可能です。
後回しにするメールにこれらの印をつけておくようにすれば、後で印つきのメールだけ呼び出すこともできます。
メールソフトによっては、スヌーズ機能やアラーム機能でリマインドしてくれるものもあります。(19ページより)
4. 予定表(手帳・カレンダーアプリ)との併用
返信できるまでに日数がかかりそうな場合は、手帳やカレンダーアプリに「経理に確認後、山田さんに返事」「会議の結論を鈴木さんに連絡すること」など、すべきことを書いておくことも大切。覚えているつもりでも、忘れてしまうことはあるものだからです。(18ページより)
メールで伝えなくてはならないことがあるときには、「あれも書きたい、これも書かなきゃ」と盛り込んでしまいがち。しかしそれでは逆効果ですから、本書を参考にしながら簡潔なメールを書くことを心がけたいものです
著者紹介:印南敦史
作家、書評家、音楽評論家。1962年東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ライフハッカー・ジャパン」で書評連載を担当するようになって以降、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間700冊以上の読書量を誇る。「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」などのサイトでも書評を執筆するほか、「文春オンライン」「qobuz」などにもエッセイを寄稿。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちにPHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)など多数。最新刊は『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』(光文社新書)。@innamix/X
Source: ダイヤモンド社


























