『昭和 女たちの食随筆』
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『昭和 女たちの食随筆』木村衣有子編
[レビュアー] 産経新聞社
蕗の葉のつくだ煮、嫁菜飯、筍煮など春に味わう野菜料理をつづる佐多稲子。戦後、家族のために働き、巻きずし一本を一人で食べたいと夢見た田辺聖子。まだ珍しかったケンタッキーフライドチキンを食べ続けた20代の林真理子。NHK「きょうの料理」の黎明期(れいめいき)を伝える料理研究家、飯田深雪。
昭和に活躍した女性文章家27人が残した食の記録、記憶といった味わい深い随筆をたどるアンソロジー。豊田正子や沢村貞子、向田邦子、森茉莉らの随筆も収録している。食にまつわる著作も多い編者が執筆者や作品、描かれた時代背景などを丁寧に解説しており、そそられる。(中公文庫・1100円)


























