セーヌ川の氾濫など、水との攻防の歴史を刻んできたパリの街を、治水や土木の観点から図版を配して読み解くガイド本。
勾配が緩やかなセーヌ川はあふれた水がなかなか引かず、1910年の大洪水では市の機能が回復するまでに半年を要したという。そんな歴史的な大洪水に度々見舞われてきたパリは、土塁や市壁の濠(ほり)など人工の凸凹が加わり街が形成されてきた。
観光船が通るアルマ橋の下には、巨大な兵士の像があり、セーヌ川の水位を見る目安になっているとか。地形散歩の観点から花の都を見つめてみるのも一興だ。(学芸出版社・2200円)

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2025年10月5日 掲載
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