【児童書】『バルレッタのふしぎな大おとこ』

アドリア海に面したイタリアの町、バルレッタに伝わる民話をもとにした絵本。

教会の前に建つ巨大な「大おとこ」の像は町の誇り。いつからあるのか誰も知らないが、毎朝あいさつをしたり、足元で子供たちが遊んだり、人々の暮らしとともにある。

ある日、兵隊のいないこの町に千人の軍隊が押し寄せる。一番年寄りのコンチェッタおばさんが町を救ってほしいと大おとこにお願いすると、像は動き出し―。

大暴れするのかと思いきや、まさかのとんちで軍隊を退ける。鮮やかで暖かい色彩が、物語をより魅力的にしている。（トミー・デ・パオラ再話・絵　福本友美子訳／光村教育図書・1760円）

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