水族館は単なるレジャー施設ではなく、学術施設でもある。海洋生物学者であり、水族館マニアの「Dr.クラゲさん」こと著者の水族館愛にあふれた一冊だ。
水族館の役割を、生き物を「集める」「選ぶ」「飼う」「殖やす」「調査・研究する」の5章に分けて紹介。水族館の経営事情から導き出される展示生物の最適解(ペンギンとクマノミの展示が多い理由)や、バックヤードの予備水槽にいた謎のイソギンチャクの正体を突き止めたエピソードなどを面白おかしく語る。全国各地の水族館のガイドもあり、思わず足を運んでみたくなる。(中公新書ラクレ・1485円)

-
2025年10月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
