東欧ルーマニアで呪文の研究を行う言語学者の著者は、「今では魔女の存在を疑っていない」という。「魔女大国」に息づく呪文と魔女の存在を、言語学的見地とユーモラスな実体験から、生き生きと描く新感覚エッセー。
前半ではルーマニアにおける生活の知恵としての魔術と、担い手である魔女について紹介。後半は「呪文を不思議なままで終わらせたくない」と、その言語学的分析にあてられている。ルーマニア出身で日本在住の〝魔女〟山田エリーザさんが伝統的な魔女文化を語る「言語学者から魔女へのインタビュー」も掲載している。(作品社・2640円)

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2025年10月12日 掲載
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