aとtheの謎が、ついに解ける!日本人が知らない英語の『本当のルール』

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決定版 これが英語の謎の正体だ

『決定版 これが英語の謎の正体だ』

著者
西村 喜久 [著]
出版社
明日香出版社
ジャンル
語学/英米語
ISBN
9784756924247
発売日
2025/09/17
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】aとtheの謎が、ついに解ける!日本人が知らない英語の『本当のルール』

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

日本人からすれば英語は「謎」のベールに包まれています。それもそのはず日本語は、姿・形にとらわれて、西洋の発想法ってどのような形をしているのか……と考えがちです。

「食べる」はeat、「着る」はwearとすぐに1つの単語を考えがちですが……西洋では、そのような姿・形にとらわれた発想感覚ではなく、「力と方向」で意味が決まる世界なのです。(「はじめに」より)

決定版 これが英語の謎の正体だ』(西村喜久 著、明日香出版社)の冒頭で、著者はこう述べています。

西洋の発想では、「食べる」も「着る」も「(シャワーを)浴びる」も“takeという動詞1語”で表せますが、それは「自分の方向に加える」という感覚でtakeを使っているからなのだそう。もちろん基本動詞に限った話ではなく、時制も現在分祠も過去分詞も過程法も接続詞も、形容詞ですら「方向」を持っているというのです。

そこで、マクロ的に「力と方向」という世界の概念を理解してもらおうという意図のもとに書かれたのが本書。この点を理解できれば、「なるほど、だからこうなのか」という“英語の持つマインドのおもしろさ”がわかるといいます。

西村式語学教育研究所代表という肩書きを持つ著者は、これまでの英会話、英語教育そのものに疑念を抱き、独自の英語教育を実践してきた人物。「英語は限りなくやさしくなければならない」という信念のもと、英語教育の研究と実践に取り組み続けているのだそうです。

つまり本書も、そうした思いを軸に書かれているわけです。

きょうは2「『一点』を意味する世界」のなかから、いくつかのトピックスを抜き出してみたいと思います。

これがaとtheの謎の正体だ

aやanと聞けば、多くの方は「ひとつの」「ある」などのように「日本語=英語」というプロセスを経て答えを探そうとするのではないでしょうか。しかし著者によれば、そうした方法が英語を難しくしているのだそうです。

aは「意図」「目的とする」を意味するのです。要するに相手とコミュニケーションをする場合に、aは「これから説明しようとしている」を意味するのです。

そして相手に説明し終わって、相互理解がなされた名詞にはtheを用いると発想すればいいのです。(22ページより)

したがって、He has a nice car.(彼はよい車を持っています)が意味するのは、「相手が彼の車を知らないこと」を前提としているということ。そして、この場合のaは「目的とする」の観点から、数のうえでは「1つ」を意味するわけです。

ここに100台の車があったとしましょう。

その時100分の1がaの世界です。つまり100台の車の中で、ある1台を取り上げた世界をa carといいます。(22ページより)

ここからもわかるように、aは“複数のうちのひとつ”を意味するもの。つまり、100台のうちのどれをとってもa carなので、「田中さんの所有している車」のように限定する際には説明が必要となります。そして、ことばの送り手と受け手がお互いに「どの車か」を認知したときに、aはtheに変わるのです。

従ってaは不特定多数のうちの1つを意味し、theは、特定する(した)もの、唯一無二のものを意味します。(23ページより)

太陽がthe sun、月がthe moonとなるのも、誰にとっても説明が不要であるから。それこそがtheということになる理由なのです。(22ページより)

無冠詞の謎の正体とは

ご存知のようにa、theは一点を意味するもの。aは「不特定の一点」を意味し、theは「特定できる一点」のことをいうわけです。

そして英語の名詞には、a、the、無冠詞の3つの区別があります。

無冠詞の心は文、句の中で「不特定多数の人に知ってもらいたいこと」、または「多くの人にすでに知られているのを強調したいこと」にはaとかtheをつけないと発想してもらいたいのです。(23ページより)

そのためTokyo(東京)とかShinjuku(新宿)、あるいはBetty(ベティ)など、地名や人の名前にはa、theをつけないのです。(24ページより)

このように基本的には、

① 不特定多数の人に知ってもらいたいことは無冠詞

② 2者間ですでに認識していて説明を要しない名詞にはthe、

そして③説明を要する名詞にはaと発想してもらいたいのです。(24ページより)

thisとthatの謎の正体とは

thisは日本語訳では「これ」「この」、thatは「あれ」「あの」などと訳されますが、問題なのはthisもthatも方向を持っていること。

thisの方向は、時計回りの方向と発想してもらいたいのです。時計回りの方向とは、「現在から未来の方向」を意味します。

位置、方向で言えば、thisは「今」「先」「前方」を意味します。生まれてから今日までの軌跡はthatの世界であり、現在から未来の方向はthisの世界です。(27ページより)

たとえばone of these daysは、this dayが「きょう」を意味し、その先(連続)がthese daysとなるため、“未来方向に向かう日々”の意味から「近い将来」を意味するのもこのためだということです。(26ページより)

このように、本書のアプローチは非常にユニーク。「知っていたけど、いつの間にか忘れていた基本」や、「考えたことすらなかったかもしれない基本」をあらためて確認できるため、読み物としても純粋に楽しむことができます。

そして英語を「難しいもの」ではなく、「楽しいもの」として受け入れることができるようにもなるはず。英語学習の楽しさを実感するために、手にとってみてはいかがでしょうか。

Source: 明日香出版社

メディアジーン lifehacker
2025年10月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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